Project/Area Number |
14021108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小林 和夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20142432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 伸司 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (50250212)
藤原 永年 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80326256)
松本 壮吉 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30244073)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 結核 / 宿主応答 / サイトカイン / 感染防御 / 病変形成 / 肺免疫 |
Research Abstract |
結核菌など抗酸菌の宿主気道上皮細胞への接着・侵入分子機序を解明するため、細胞侵入の分子機構の解析に着手した。抗酸菌感染症の主要病変部位が呼吸器系であることから、ヒトII型肺胞上皮細胞株(A549)を標的細胞として用い、抗酸菌の接着・侵入分子機序について解析した。 Mycobacterium bovis BCG由来宿主細胞ヘパリン結合性分子についてヘパリンカラム結合性を指標として解析したところ、BCG由来28kDa蛋白質が強い結合性を示した。28kDa蛋白質のアミノ酸配列はDNAやラミニン結合性抗酸菌由来蛋白質であるmycobacterial DNA binding protein 1 (MDP1)と相同性を示した。さらに、MDP1が気道上皮細胞表層グリコサミノグリカンの構成成分であるヘパリン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸に結合することを明らかにした。添加培養1時間以内でMDP1はA549細胞質内に存在し、MDP1はA549細胞への接着・取り込みに関与していることが明らかとなった。 気道上皮細胞は種々の刺激に応答し、宿主における外界の鋭敏な感知器(センサー)である。気道上皮細胞の感知機能は結核菌など抗酸菌感染においても例外でないと考えられる。この機構に菌因子として菌表層多機能分子が、宿主因子として気道上皮細胞が関与していることが示唆される。今後、抗酸菌-気道上皮細胞の接着・侵入の分子機構、さらに、気道上皮細胞-免疫担当細胞の細胞間相互作用を明らかにし、抗酸菌感染の初期宿主応答を解明する予定である。 結核など抗酸菌-気道上皮細胞相互作用の分子機序を解明することは抗酸菌の宿主細胞への接着・侵入を初期段階で制御する可能性、すなわち、感染の回避や感染成立後に生ずる病変の限局化を示唆し、抗酸菌感染症における新規予防・治療戦略の開発に糸口を提供するであろう。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)