Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
逓信総合博物館等に所蔵されている幕末から明治初年の電信機について調査するとともに,岩国市徴古館・学校教育資料館に所蔵されている藤岡市助関連資料について調査した.幕末期に生まれ,工部大学校電信科(のちの東京大学工学部電気工学科)の最初期の卒業生であった藤岡市助は,近代の産業技術としての電気技術を学び,国内でこれを実用化した人物である.江戸期の電気学と明治機以後の近代電気技術との対比においても藤岡市助の足跡は興味深い.本研究で調査した資料は,日本と世界,電気関係各事業,洋行,欧米史,工部大学校・教育,日本と岩国,時代と先見性,藤岡家,明治から昭和への生活史,郷土の偉人と次世代の若者,東京電気(東芝)の技術史等といったいくつかの視点から検討に値し,その個々が貴重であるだけでなく,総体としての意味が大きい.内容は,次のように大別される.(1)市助の講義録,論文および報告書等,(2)講義録等,(3)私物,(4)表彰,特許等,(5)著作物,(6)洋行関連,(7)写真,(8)市助の参考文献等,(9)電気事業関連書類,(10)欧米企業のパンフレット,カタログ等,(11)市助あて手紙等,(12)市助ならびに関係者を題材とした書物等,(13)新聞記事等,(14)電気製品,テスター等,(15)岩国関係古文書.先祖から市助の曾孫までの藤岡家資料も含まれている.藤岡市助関連資料について,1件1行の棒リストの作成が8割方できたが,器物資料については同定と記述が困難であるので,電気技術者である本研究代表者(高橋雄造)が中心となってこれにあたっている.今後は本研究から,資料目録の刊行,藤岡による白熱舎での国産電球製造課程の解明などへとすすむ見込みである.
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