Project/Area Number |
14026004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 伸哉 北海道大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70261287)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | クロマチンリモデリング / 滑膜肉腫 / シグナル伝達 / SYT-SSX / hBRM / 癌化 |
Research Abstract |
本研究は滑膜肉腫関連癌遺伝子SYT-SSXがクロマチンリモデリング因子hBRMと結合することから、SYT-SSX遺伝子を用いて細胞の癌化・老化能の解析を行うものであり、今年度は以下の成果を得た。 (1)特許出願。これまでの研究成果に基づき、SYT-SSXとhBRMの結合を阻害する50アミノ酸領域の同定が、滑膜肉腫の遺伝子治療の基盤技術となることを示し、国内特許を出願した(発明者:田中伸哉、長嶋和郎 名称:ヒト滑膜肉腫に対する遺伝子治療法、特願2002-050894)。 (2)SYT-SSX1によるp21発現誘導。細胞老化と関連してSYT-SSX1及び各種変異体をラット線維芽細胞及びhBRM欠損SW13細胞株に導入すると、p21の発現量が増加することを見出した。SYT-SSX1とhBRMの共発現によりp21の発現量は更に亢進した。変異体解析によりこのp21の誘導には、SYT-SSX1のQPGY domain及びC末側が必要であることが明らかとなった。 (3)SYT-SSX1によるp53非依存性p21プロモーターの活性化。293T細胞においてSYT-SSX1の過剰発現によりp21プロモーターを活性化することをルシフェラーゼアッセイにより確認した。(p21プロモータープラスミドは国立長寿研磯部先生より分与)。さらにp53欠損HCT116細胞株(Bert Vogelstein教授より分与)を用いてp21の誘導におけるp53依存性を確認したところ、SYT-SSX1によるp21誘導はp53非依存性であることが判明した。SYT-SSXは単に増殖を亢進されるのみではなく、増殖に負の信号も伝達する分子であり、細胞により老化と癌化のバランスのメカニズムの検討を行っている。 (4)SYT-SSX1トランスジェニックマウスの作成。LTR由来のプロモーターで発現が制御されるベクターを導入したマウスは出産数が低いものの作成された。現在ヘテロの状態で6ケ月観察しているが明らかな異常所見は得られていない。また、テトラサイクリンにてSYT-SSXが発現誘導可能なマウスの作成のためTRE-SYT-SSX1マウスを作成したところ出産数もコントロールと同等のマウスを得られた、現在rtTA発現マウスとの交配を行っている。
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