ファンコニ貧血における染色体不安定性と高発癌の分子機構の解明
Project/Area Number |
14026012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 孝之 東京大学, 医科学研究所, 客員助教授 (10166671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 司 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (10323643)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥6,300,000 (Direct Cost: ¥6,300,000)
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Keywords | ファンコニ貧血 / 再生不良性貧血 / 骨髄異形成症候群 / 白血病 / DNA修復 / ゲノム不安定性 |
Research Abstract |
ファンコニ貧血(FA)は常染色体劣性遺伝性の造血疾患で、小児期に再生不良性貧血を発症し、その後に骨髄異形成症候群や白血病への高率に進行する。また、固形癌や先天奇形を合併し、細胞は染色体不安定性とDNA架橋剤への高感受性を特徴とする。遺伝的に8群(A-G)に分類され、7つの責任遺伝子が同定されている。現在のFA分子経路モデルでは、FANCA/C/E/F/Gを含む核内複合体に依存してFANCD2がモノユビキチン化を受けて活性化され、活性型FANCD2は家族性乳癌遺伝子産物BRCA1と相互作用してゲノム安定化に重要な役割を果たすとされる。我々はFANCAの種々の変異体を用いてFA分子経路を解析した。その結果、他のFA蛋白と安定した複合体を形成しないFANCAが核内に移行し、中程度のFANCD2モノユビキチン化を誘導し、DNA架橋剤への感受性を回復させることを見出した。これらの結果は、従来のモデルに反して、FA蛋白の安定な複合体の形成はFANCD2の活性化に促進的に働くが、必須でないことを示唆する。また、FANCAの核移行とリン酸化がFA蛋白複合体の形成と独立して制御され、FA分子経路活性化に重要であることが示唆された。一方、日本人FA患者の遺伝子解析を行い、45家系のうち26家系(約60%)がA群に属し、10家系(約20%)がG群に属することを見い出した。FANCA変異は多様な変異を示し、約60%が一家系のみに見られるprivate変異であった。対照的にFANCG変異の大部分は、IVS3+1G>Cと1066C>Tの2種類の変異が約90%を占めた。このふたつの変異は、特有のハプロタイプを持つアリルに存在し、それぞれが共通の起源を持つfounder変異であることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)