発がん関連新規遺伝子NASH1の細胞がん化機構における役割
Project/Area Number |
14026048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
中尾 篤人 順天堂大学, 医学部, 講師 (80317445)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | シグナル伝達 / 肥満細胞 |
Research Abstract |
我々は最近我々が同定した造血系細胞に高度に発現している新規遺伝子NASH1遺伝子が、造血系細胞のがん化において果たす役割について明らかにしようと試みた。NASH1遺伝子はSH3ドメイン、SAMドメイン、核移行シグナルを有するため、細胞内でアダプターとして働いていると推測されたがその造血系細胞における機能は未だ不明である。 今年度は特に肥満細胞におけるNASH1遺伝子の機能について解析した。我々は、ラットNASH1遺伝子を単離し、ラット肥満細胞株FBL2H3において、恒常的にNASH1遺伝子あるいはその変異体を過剰発現する細胞株を樹立した。 肥満細胞上に発現する高親和性IgE受容体からの刺激による肥満細胞の脱顆粒反応、TNF-alfa、IL-6産生作用はNASH1遺伝子を過剰発現する細胞株にて有意に抑制された。またこの抑制作用は、NASH1のSH3ドメインを欠失した変異体においては観察されなかった。またこのサイトカイン産生抑制効果はTNF-alfa、IL-6のレポーター遺伝子解析によっても確認された。 以上の結果から、肥満細胞においてNASH1が高親和性IgE受容体からの刺激による肥満細胞の脱顆粒反応、サイトカイン産生作用に対して抑制的に働くことが示唆された。さらにその抑制機能にはNASH1のSH3ドメインが必要であることが推測された。今後NASH1のSAMドメイン、核移行シグナル変異体の肥満細胞における機能解析や造血細胞系のがん化における機能変異について検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)
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[Publications] Uchida T, Nakao A, Nakano N, Kuramasu A, Saito H, Okumura K, Ra C, Ogawa H: "Identification of NASH1, a novel protein containing a nuclear localization signal, a sterile alfa motif, and a SH3 domain preferentially expressed in mast cells"Biochemical Biophysics Research Communication. 288. 137-141 (2001)