Project/Area Number |
14028008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大根田 修 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (30311872)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | 低酸素応答 / 転写因子 / HIF / 遺伝子破壊マウス / 血管新生 / 未熟児網膜症 / VEGF / Epo |
Research Abstract |
本研究は、低酸素応答転写因子HIF(hypoxia inducible factor)の血管新生において役割をHIF-1αとHIF-2α(HLF)を中心に解明することを目的に行った。条件付きHIF-2α遺伝子部分破壊マウスは、第1エクソンの非翻訳領域にネオマイシン耐性遺伝子を挿入した構築を用いて作製した。このHIF-2α部分破壊マウス(以下HIF-2α^<kd/kd>と呼ぶ)は、正常に成育し、繁殖可能であった。 本研究では、HIF-2αの未熟児網膜症に伴う血管新生における役割についてHIF-2α^<kd/kd>を用いて解析を行った。今まで未熟児網膜症は、高酸素暴露後に正常酸素状態に戻すこと(相対的低酸素状態)によりVEGF産生が亢進し、網膜での過剰な血管新生が引き起こされるものと考えられていた。 本研究では第一に、低酸素誘導後HIF-2α^<kd/kd>マウスにおける、網膜での血管新生について解析を行った。野生型マウスにおいては、低酸素誘導後12時間目から、神経細胞層より血管新生が数多く見られたが、HIF-2α^<kd/kd>では、約4分の1に血管新生が減少していた。 第二に、野生型マウス眼球における、低酸素誘導後のHIFの発現を解析したところ、HIF-2αは発現誘導が見られたが、HIF-1αの発現誘導は観察されなかった。このことから、HIF-2αが低酸素誘導後の血管新生に大きく関与していることが、強く示唆された。 また、HIF-2α^<kd/kd>において低酸素誘導によりVEGFの発現上昇はみられたが、エリスロポイエチン(Epo)産生が野生型と比較して減少していることが分かった。さらにHIF-2α^<kd/kd>マウスにEpoを投与することで、網膜での血管新生誘導がみられた。 以上のことから、未熟児網膜症における血管新生にはHIF-2αを介してEpoが大きく関与していることが本研究により明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)