造血細胞の骨髄系分化過程は、まさにプログラム細胞死である
Project/Area Number |
14028055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
鈴木 賢一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (20305618)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
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Keywords | アポトーシス / 好中球 / 分化 |
Research Abstract |
アポトーシスは、本来、不要になった細胞が生体から排除されていくプログラム細胞死の過程である。役目を終えた細胞の死の場合だけではなく、生理的な骨髄系血球分化の過程においても細胞死プログラムが既に進行しており、精巧な制御機構が備わっているのではないかと考えられた。正常造血細胞の分化の時間軸に沿ったアポトーシス制御機構の変化、カスパーゼ分子の切断・活性化、Bcl-2ファミリー分子の発現、IAPファミリー分子の発現を解析した ヒト好中球の流血中の寿命は半日ほどであり、in vitroでは自発的にアポトーシスを起こして数日以内に死滅する。今回、好中球においては、(1)既に、前駆体Pro-caspase-8がプロセシングされた状態にある。(2)その機序が、従来のデスシグナルによる複合体形成(DISCシステム)におけるパターンとは異なる。(3)プロセシングされているcaspase-8は、内在している抑制因子によって不活性化されている。(4)G-CSFおよびGM-CSF刺激はその抑制因子の安定化および合成に関与する。(5)(4)にはMAPキナーゼ系のMEK-ERK系活性化が特異的に関与していること。を見い出した。一方、正常ヒト造血幹細胞(CD34陽性細胞)、単球、好酸球およびリンパ球においては、Pro-caspase-8のプロセシングは認められなかった。 白血球分化において、特異的に骨髄系分化の過程で、Pro-caspase-8のプロセシングが進行すると考えられた。その「アポトーシス準備状態」にある細胞には、G-CSFおよびGM-CSFによって制御されるアポトーシス調節機構が存在すると考えられた。上記の結果から、造血細胞の骨髄系分化とアポトーシスがリンクしていると考えられた。これは、デスシグナルによるカスパーゼ活性化とは異なった機序による、ゆるやかなアポトーシスの進行過程である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)