造血器腫瘍細胞の化学療法剤誘導アポトーシスの制御機構の解明と新規制御法の開発
Project/Area Number |
14030026
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
三浦 修 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10209710)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 晃 東京医科歯科大学, 医学部付属病院, 助手 (00281717)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
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Keywords | アポトーシス / サイトカイン / インテグリン / 化学療法剤 / 白血病 / 悪性リンパ腫 / シグナル伝達 / 細胞周期 |
Research Abstract |
化学療法剤による造血器腫瘍のアポトーシス誘導シグナル伝達機構を明らかにし、造血器腫瘍細胞の増殖を調節する種々のシグナル伝達機構との関連を解明する目的で研究を行った。Etoposide等の化学療法剤は白血病やリンパ腫細胞株において低分子量G蛋白Racを活性化したが、Rac依存性にp38 MAPキナーゼが活性化され、化学療法剤によるG2期での細胞周期停止を促進しアポトーシスを抑制した。また、Etoposide等の化学療法剤はチロシンキナーゼLynを活性化し、Lynと結合したサイクリン依存性キナーゼCdc2のTyr15のリン酸化を介してその活性を抑制する事で、G2期での細胞周期停止誘導したが、細胞内アダプター蛋白CrkLはこの機構に抑制的に機能した。IL-3やエリスロポエチン等の造血サイトカインは、化学療法剤によるChk1活性化とCdc2のチロシンリン酸化を亢進させることにより、細胞周期停止を促進しアポトーシスを抑制したが、β1インテグリンを介した細胞接着はこれらと逆の影響をもたらした。リンパ腫細胞におけるBCL6の強発現は、化学療法剤に対する耐性をもたらすことが示されたが、阻害剤等を用いた検討から、BCL6は化学療法剤による活性酸素の産生を抑制する因子の遺伝子発現を誘導することにより、アポトーシスを抑制するものと考えられ現在この因子について検討中である。以上の検討から明らかにされた、シグナル伝達因子、細胞周期調節因子、癌遺伝子産物等の化学療法剤誘導性アポトーシス制御機構における意義の検討結果を基に、現在これらの因子を分子標的とした治療法や化学療法耐性克服法の開発の為の検討を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)