放射線によるがん治療時に予想される遅延型遺伝影響とその抑制法
Project/Area Number |
14030069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
渡邉 正己 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20111768)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 靖司 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (00195744)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 遺伝的不安定性 / 放射線治療 / 二次発がん / 遅延型影響発 / DNA二重鎖切断 / Atm遺伝子産物 / 酸素ストレス |
Research Abstract |
放射線は遺伝的不安定性を誘導し様々な遅延型影響を発現することが知られるようになった。この現象が、放射線治療に伴う二次発がんの原因となると予想される。そのため、本研究は、放射線によるがん治療効果をあげるために遺伝的不安定性の機構を明らかにするとともに、遅延型影響発現の抑制技術の開発を目的として実施した。 その結果、遺伝的不安定性は、放射線により誘導されたDNA二重鎖切断の修復に伴う大規模なゲノム再配列によって生じた染色体不安定構造が起因となって生じたと思われる。その経路をAtm遺伝子産物が抑制している。こうした染色体の不安定構造は、酸素ストレスなど環境因子と競合して新たな遺伝的変化を生ずる。そのため、被ばく後、ビタミンCやグルタミンなどのラジカル捕捉剤を処理することによって、遺伝的不安定性に起因する遺伝的変化の程度を軽減することが可能であり、放射線によるがん治療時に避ければならない二次的遺伝的影響(二次発がん)の程度を下げることができる可能性あることを示唆し放射線によるがん治療の効果向上に資するものである。 今後、本研究で発見した現象の機構を詳細に知るとともに、食品植物成分から遺伝的不安定性が起因となって生ずる様々な遅延型影響発現を有効に抑制する成分を幅広く探索し、放射線によるがん治療後の患者の予後ケアに取り入れ二次発がん頻度を軽減する手法を開発し、放射線がん治療の高度化を実現する必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)