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¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥4,900,000 (Direct Cost: ¥4,900,000)
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Research Abstract |
ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACI)はヒストンを高アセチル化状態にし,様々な遺伝子の転写を調節することでp53非依存性に抗腫瘍作用を発揮する新規の抗癌剤として注目されている.我々はHDAC阻害剤である酪酸ナトリウム(SB)およびtrichostatin A(TSA)を用いてHDAC阻害剤がp53のアセチル化を高め,さらにアポトーシス関連遺伝子PIG3,NOXAを誘導することを明らかにした.すなわちp53を介したHDACIによるアポトーシス誘導の機序を明確にし,p53遺伝子とHDACIの併用による新しい治療法を確立するための基礎的な検討を加えた.これまでp53のどのリジン残基のアセチル化がどのようなp53の下流遺伝子を誘導するのか明らかでなかったが,HDACIを用いた本研究をモデルとして320と382のリジン残基のアセチル化p53がPIG3とNOXAを誘導することで癌細胞にアポトーシスを誘導することを明らかにした.ところで,従来のp53の抗腫瘍活性を高める併用療法はDNA障害性治療であり,そのp53活性化の機序は非特異的で副作用は大きな問題であった.一方,HDACIはアセチル化によるp53の活性化という特異性があり,本剤の副作用は米国における臨床試験で非常に低いことが明らかになっている.すなわち,本研究の結果として,HDACIとp53の併用による新しいアポトーシス誘導療法の確立が期待できる.
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