Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
大腸菌の複製開始因子DnaAはATPと結合し、このATP結合活性が細胞内DNA複製に必須であることが遺伝学的に証明されている。一方真核生物の複製開始因子ORC(Origin Recognition Complex)はATPと結合する二つのサブユニット(Orc1pとOrc5p)を持っている。この内、Orc1PのATP結合活性に関しては、細胞内DNA複製に必須であることが遺伝学的に証明されているが、Orc5pのATP結合活性に関しては全く分かっていなかった。そこで我々はATPと結合出来ないOrc5pを発現している変異株(ORC5-A)を作成しその解析を行った。我々はORC5-A株が温度感受性を示すことを見出し、Orc5pのATP結合活性も細胞内DNA複製において重要な役割を果たしていることを示した。さらに我々は、ORC5-A株では、高温で細胞内のORCが不安定になっていること、及びその原因として、ユビキチン・プロテアソーム系が活性化されていることを見出した。さらにORCのサブユニットの一つであるOrc4pを多量発現すると、このORCの不安定化が抑圧されることを発見した。この抑圧はOrc4p特異的であり、他のサブユニットでは見られなかった。以上の結果は、Orc5pのATP結合が細胞内でORCが安定に存在するために必須であること、及びその理由として、Orc5pがそのATP結合依存的にOrc4pと結合することを示唆している。
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