増殖から分化への切り換えを制御する二種の蛋白質分解システム
Project/Area Number |
14033231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
北村 憲司 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 助手 (40214811)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞周期 / 蛋白質分解 / 発生・分化 / ユビキチン / 分子生物学 |
Research Abstract |
Fizzyファミリー蛋白質はAPC/サイクロソームの活性化に必須であり、分裂酵母ではG2-M進行時にSlp1(Cdc20ホモログ)がその役割を担う。G1期で機能するホモログであるSte9(Cdh1)の機能欠損株は、通常の増殖は正常だがG1期制御が異常になり、細胞分化(接合、減数分裂、胞子形成)が全く起こらない。分裂酵母ゲノムには未解析のfzr1,fzr2,fzr3を含め計5個のFizzyホモログが存在し、これらの細胞分化時の機能を調べた。slp1の転写量は減数分裂前DNA合成後、第一分裂前から第二分裂にかけて一過的に十倍以上に増加し、この時期の機能が推測される。slp1温度感受性株では許容温度でも通常の4つの一倍体胞子ではなく2個の二倍体胞子が形成され、これは減数第一分裂がバイパスされ第二分裂だけが起こるためで、Slp1の機能が第一分裂に必須である事がわかった。fzr3の転写量は減数分裂前DNA合成後から第一核分裂前まで増え、fzr1は核分裂時に転写のピーク、fzr2はfzr1とオーバーラップし更に後期にかけて強く誘導される。これら3つの遺伝子の破壊株はいずれも正常に生育し、fzr2やfzr3破壊株では細胞分化にも特に影響はなかったが、fzr1破壊株では胞子は生じるものの、その大半が1〜2個で形とサイズが不規則だった。詳しく調べると減数分裂前DNA合成や、核分裂自体は正常だが、セントロソームにあたるSPBから派生する二重膜が核を包み込み、成熟胞子になる過程が欠損していた。またste9変異株の減数分裂不能性はRas-ERK MAP kinaseの活性化により抑圧され一倍体でも胞子形成するため、Ste9が減数分裂開始と進行を制御する事が推測される。全貌の解明は今後の課題であるが、Fizzyファミリー蛋白質が増殖時の細胞周期調節以外にも重要な機能を持つ事が明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)