Project/Area Number |
14033232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中井 彰 山口大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60252516)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 細胞周期 / 熱ショック蛋白質 / 転写因子 / HSF / B細胞 / 抗体産生 / 濾胞中心 / 細胞増殖 / Cdc2 / Hsp90 / ストレス / チェックポイント |
Research Abstract |
細胞は温熱ストレスや放射線など様々なストレスにさらされると、細胞周期を止めて死に至る。一部のものは、ストレスから回避されると再び細胞周期を進行させて増殖を開始する。申請者は、この細胞周期制御に熱ショック転写因子HSF1によって発現制御されたHsp90の量が極めて重要であることをニワトリBリンパ球系細胞を用いて以前に示した。本年度は、ストレスのない状態でHSF1がどの熱ショック蛋白質の発現制御を行っているかをHSF1欠損マウスを用いて調べた。その結果、マウス繊維芽細胞ではHSF1は構成的な熱ショック蛋白質の発現に関わっていないが、腎臓、肝臓、脾臓などの主要な臓器でのHsp90の発現がHSF1に依存していることがわかった。これらの組織においてもHSF1-Hsp90の系路がストレス条件下での細胞細胞周期進行するかを決める重要な要因であることが示唆された。 さらに、HSF1の欠損によって細胞周期の進行に異常をきたす臓器を調べていたところ、免疫系細胞で異常を認めた。HSF1欠損マウスの解析から、これまで報告されている体重減少、胎盤形成不全に加えて、血清中の免疫グロブリン(IgG)量が少ないことを新たに見い出した。そこで、特異的な抗原応答におけるHSF1の影響を検討する目的で、マウスにヒツジ赤血球(SRBC)を腹腔内投与し、血中の抗SRBC抗体価を検定した。HSF1欠損マウスでは投与6日後の抗SRBC抗体(IgG)産生は野生型に比べ著しく減少していた。通常状態でのHSF1欠損マウスの免疫担当細胞の数および組成は野生型と同じであった。また、SRBC投与後14日後以降の抗体産生は野生型と同じレベルまで回復していた。SRBC投与後の抗体産生細胞の減弱は、脾臓の濾胞中心を形成する細胞の増殖不良と一致していた。これらのことはHSF1が直接あるいは間接的にB細胞系の増殖分化を介して抗体産生の初期応答を制御している可能性を示唆する。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)