Project/Area Number |
14033251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University (2003) Okazaki National Research Institutes (2002) |
Principal Investigator |
西田 基宏 九州大学, 大学院・薬学研究院, 講師 (90342641)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 活性酸素 / 細胞死 / 受容体活性化チャネル / Ca^<2+>シグナリング / ホスホリパーゼC / 細胞増殖 / 遺伝子 / 細胞・組織 / 生体分子 / 生理学 / 薬理学 |
Research Abstract |
免疫B細胞において、受容体刺激によって引き起こされる持続的な細胞内Ca^<2+>濃度上昇(オシレーション)は、B細胞の分化や死といった応答を引き起こす。しかし、Ca^<2+>オシレーションの発生メカニズムについては古くからの謎とされてきた。 細胞内Ca^<2+>濃度上昇は、主にIP_3を介した細胞内Ca^<2+>ストアーからのCa^<2+>放出と形質膜越えのCa^<2+>流入によって引き起こされる。ニワトリ免疫B細胞株DT40を用いた解析で、私は受容体刺激によって惹起される形質膜越えのCa^<2+>流入が、ホスホリパーゼCγ2(PLCγ2)の膜移行および活性化を引き起こし、2次的なIP_3産生を引き起こすことを明らかにした。また、産生されたIP_3が2次的なCa^<2+>放出を引き起こすことでCa^<2+>オシレーションが形成されることを明らかにした。さらに、受容体活性化Ca^<2+>流入を担う分子実体がTRPチャネル(TRPC3)であること、TRPC3とPLCγ2が恒常的に結合していることを突き止めた。 これまで受容体刺激で引き起こされるCa^<2+>流入が直接的に、持続的なCa^<2+>オシレーションを発生させると考えられてきたが、本研究により、Ca^<2+>流入に依存したIP_3産生による細胞内Ca^<2+>ストアーからのCa^<2+>放出こそが、細胞内Ca^<2+>シグナルの増幅に重要であることが明らかとなった。また、この知見は、TRPチャネルを中心としたシグナルタンパク質複合体形成のもつ、生理的意義を示した初めての報告である。特に、PLCγ2欠損株ではG_2/M期からG_1期への進行が遅くなっていたことから、現在PLCγ2活性化の下流で細胞周期の制御に関わる標的分子の探索を進めている。 興味深いことに、いくつかのTRPCチャネルは受容体刺激のみならず、活性酸素によっても活性化された。昨年の研究で、私達は酸化によるTRPM2の活性化がCa^<2+>過負荷による細胞死(ネクローシス)を誘導することを報告したが、TRPCチャネルの酸化による活性化は、少なくとも細胞死とは異なる生理応答を引き起こす可能性が示された(論文投稿中)。
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