Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
頭部感覚器の形成過程は、感覚器プラコード形成から顕在化される。各感覚器の初期形成機構の異同の理解とその共通性・特殊性を生み出す分子群の同定を目的に、本研究ではゼブラフィッシュを用いた突然変異体のスクリーニングを試みた。我々は鼻と耳の原基が蛍光発光するトランスジェニックフィッシュSix4.1-GFPフィッシュを系統化しており、本研究においてはこれを活用した。一方、研究代表者は、異物代謝酵素遺伝子であるGstpが後期胚の鼻原基で強く発現し始めることを見いだした。これらは鼻における匂分子の消去に重要な因子群と予想され、鼻の機能形成過程に伴って発現が誘導されるものと考えられた。そこで、Gstp遺伝子の発現制御機構に着目し、感覚器の機能形成機構の解明にも取り組むことにした。Six4.1-GFPフィッシュの感覚器原基特異的な発光が異常になる突然変異フィッシュを単離し、その原因遺伝子を決定することにより、感覚器形成領域の決定からSix遺伝子の発現活性化までの間に機能する未知分子の遺伝学的な同定することを試みた。突然変異はエチルニトロソ尿素により導入し、スクリーニングは3世代交配法を用いて行った。突然変異体の探索は、1-2日胚においてSix4.1プロモーターによって駆動されるGFP発光を生体で観察し、5日幼魚の段階でin situハイブリダイゼーション法によりGstp遺伝子の発現を観祭するという2段階の方法を用いた。これまで、125のF2ファミリーを解析し、形態形成異常を示す突然変異系統を70単離した。この中には、感覚器異常の変異体も含まれており、現在、詳細な表現型解析と原因遺伝子の探索を開始したところである。
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