ヒラメ・カレイ類の身体に左右非対称性をもたらす発生機構の解明
Project/Area Number |
14034275
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
鈴木 徹 独立行政法人水産総合研究センター, 養殖研究所・生産技術部, 繁殖研究グループ長 (70344330)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥5,200,000 (Direct Cost: ¥5,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞・組織 / 動物 / 発生・分化 / 変態 |
Research Abstract |
本研究の目的は、脊椎動物に共通に起こる内臓の左右軸形成とヒラメ・カレイに固有な身体の非対称性形成との関連を解明することにある。15年度は、魚類内臓の左右軸決定機構、ヒラメ・カレイにおける内臓と眼の左右軸の関係について解析した。クッパー胞に特異的に発現する新規遺伝子Charon (Cerberus/Danファミリー)を発見し、ノックダウン試験により、CharonはNodalの右体側へのシグナルリレーを不活化して、Nodalを左体側にのみ発現誘導する調整因子であることを示唆した。Charonノックダウン胚の心臓は左右軸の逆位を起こすことから、Charonは実際に内臓の左右軸形成に機能していることが確認された。従って、魚類では、胚尾端に形成されるクッパー胞で、左右軸形成がイニシエートされること、このイニシエート過程ではCharonとNodalが調節因子として相互作用しているものと考えられる。Charonノックダウンで起こったNodalの発現異常(正常では左側板中胚葉に発現すべきNodalが両体側に発現する)と、ヒラメ突然変異体Reversed(内臓と眼の配置に逆位が起こる)胚におけるNodal発現が酷似していることから、Reversedでは左右軸のイニシエート機構に異常が起こっていること、胚左右軸の異常は眼の移動方向の逆位に結びつくことが示唆された。組織観察から、眼の移動を起こす組織形成は、将来の無限側の耳胞と眼の間で起こる細胞増殖であり、胚期に遡ると、耳胞原基と心臓原基が接しており、左耳胞に接するようにleftyが発現することが明らかになった。以上から、胚左右軸と眼の移動方向との関連について、心臓原基の左半分で起こるleftyのシグナルにより、左右の耳胞原基に位置価の違いが生じ、それに基づいて片側の耳胞で細胞増殖が起こり、片方の眼を移動させる可能性を想定した。今後は、このシグナル伝達系の証明、ヒラメとカレイで眼の配置を逆にする分子機序の解明を計画している。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)
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[Publications] Hashimoto, H., Mizuta, A., Okada, N, Suzuki, T., Tagawa, M., Tabata, K., Yokoyama, Y., Sakaguchi, M., Tanaka, M., Toyohara, H.: "Isolation and characterization of a Japanese flounder clonal line, reversed, which exhibits reversal of metamorphic left-right asymmetry"Mechanisms of Development. 111. 17-24 (2002)