p105新規タンパク質による細胞質mRNA複合体の形成と細胞骨格依存的輸送
Project/Area Number |
14035252
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
椎名 伸之 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助手 (30332175)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 万喜洋 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 教授 (00192659)
|
Project Period (FY) |
2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
|
Keywords | mRNA / 輸送 / シナプス可塑性 / staufen / FMRP / CaMキナーゼII / BDNF / p105 |
Research Abstract |
神経細胞の樹状突起内へmRNAが輸送され、そのmRNAがシナプスにおいて長期増強刺激依存的に局所的にタンパク合成されることが知られている。この局所的翻訳システムは、ひとつの細胞内に多様なシナプスを形成させるためにたいへん重要で、シナプス可塑性に必須のシステムだと考えられている。このmRNA輸送体はおもにリボソームとRNAで構成される高次複合体であることが報告されているが、詳細な分子構築についてはほとんど何もわかっていないのが現状である。 p105タンパク質は、当初は中心体に集積する新規タンパク質として我々が同定したものである。本研究によって、p105は、大脳樹状突起に特異的に発現していること、またリボソーム・mRNAとともに細胞質粒子を形成することがわかってきた。この結果から、p105は神経樹状突起mRNA輸送複合体の全く新しい構成要素であると考えられた。この複合体には、シナプス形成に関与する翻訳調節因子(FMRP)やmRNA輸送因子(Staufen)など興味深い因子も局在していた。また、微小管およびアクチンモータータンパク質も局在し、これら細胞骨格依存的に複合体が細胞膜の直下まで輸送されることがわかった。さらに、この複合体によって輸送されるmRNAには、シナプス可塑性に深く関与するもの、例えばCaMキナーゼIIαやBDNFのmRNAが含まれていることがわかった。以上の結果から、p105は、大脳のシナプス可塑性に関与するmRNA輸送・翻訳制御複合体の新規構成因子であることが明らかになった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)