26Sプロテアソームのリン酸化による活性制御機構と基質をアンフォールドする機構
Project/Area Number |
14037202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
澤田 均 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60158946)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | プロテアソーム / ユビキチン / アンフォールド / リン酸化 / タンパク質分解 / 受精 |
Research Abstract |
上記研究課題について、当初の研究計画を遂行したので報告する。 26Sプロテアソームはプロテアーゼ活性を有する20SプロテアソームとATPaseサブユニットを含む制御サブユニット複合体とから構成されているが、蛋白分解におけるATP依存性の分子機構は未だに謎である。我々は、精製26Sプロテアソーム標品中に新しいSer/Thrキナーゼが会合していること、また、それがp45/Rpt6 ATPaseサブユニットをリン酸化することにより、20Sプロテアソームとの会合を促進することを明らかにした。本研究では、そのリン酸化部位を特定するために、酵母とヒト培養細胞系を用いて、p45のセリン・スレオイン残基をリン酸化されないアラニン残基に置換し、その細胞の生育に及ぼす影響を調べた。その結果、アラニンへの単独変異体では、致死や生育阻害効果は見られなかった。このことは、複数箇所のリン酸化が重要である可能性と、リン酸化阻害をして会合を抑制しても致死的な影響は受けないことを示唆している。蛋白化学的な解析から,架橋剤処理により解離会合を阻害すると、ATPがなくてもユビキチン化基質を分解するという全く新しい知見が得られた。これは、蛋白分解の際に、20Sプロテアソーム部分と制御サブユニット部分が解離するのを阻止できれば、蛋白分解にATPを必要としないことを意味している。これは、リン酸化を介して会合促進することがATP依存的分解において重要であることを暗示している。 基質のアンフォールド機構に関しては、蛋白分解阻害剤で前処理したプロテアソームに基質タンパク質を加えると、基質タンパク質がアンフォールドすることを、プロテアーゼに対する感受性から明らかにした。従来、基質のアンフォールドにはATPの加水分解が必要であると提唱されていたが、ATPの加水分解を阻害しても、基質のアンフォールドが起こることを見いだした。 また、受精時に作用する精子プロテアソームの精製と生理機能解析もおこなった。そして精子には、細胞膜表面に結合しているプロテアソーム分子種が存在し,それが受精に重要な機能を果たすことを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
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