マンガン酸化物の電荷整列相に及ぼすBサイト置換効果
Project/Area Number |
14038227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
守友 浩 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00283466)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | マンガン酸化物 / 電荷整列相 / 相分離 / 中性子粉末回折 |
Research Abstract |
ペロブスカイト型マンガン酸化物Nd1/2Ca1/2MnO3は、Tco=230K以下で電荷整列相転移を示し絶縁体に転移する。さらに温度を低下すると、CE-typeの反強磁性磁気秩序を示す。Mnサイトを他の遷移金属に置換し、それが電荷相に及ぼす影響を中性子粉末回折法で詳細に調べた。マンガン酸化物のBサイト置換効果は、世界的に研究がなされているが、それらは全て断片的な研究である。本研究は、Bサイト置換効果の唯一の系統的な研究であり、実験的にその全貌が明らかになった。主な研究結果を列挙する。 1.3%程度の元素置換では、置換する元素に関わらず、低温で試料は二相状態(相分離状態)になった。 2.置換元素がNi,Co,Cr,Ruの場合は、c軸長の長い相が、低温で強磁性金属となった。 3.置換元素がFe, Sc, Zn, Alの場合は、c軸長の長い相が、低温で強磁性を示さなかった。 4.したがって、相分離が金属絶縁体転移の直接の原因ではない。 5.Ni,Co,Cr,Ru不純物の共通点は、eg軌道が空いていることである。 6.したがって、Bサイト置換効果は、一電子バンド幅増大効果とみなすことができる。 7.また、Bサイト不純物は電荷整列のコヒーレンスを壊す働きがある。 8.Cr,Ru,Scの場合、元素置換の量を増やすと、5%程度以上の領域ではc軸長の長い相の単相状態となる。 9.つまり、相分離状態は限られた組成領域でのみ観測される。 以上の実験により、(1)相分離現象と(2)金属絶縁体転移との関係が明らかになった。さらに、Bサイト不純物が電荷整列相に及ぼす影響も明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)