La2-XSrXCuO4低ホール濃度領域におけるスピン揺動
Project/Area Number |
14038242
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
松田 雅昌 特殊法人日本原子力研究所, 先端基礎研究センター, 副主任研究員 (90260190)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 中性子散乱 / 銅酸化物超伝導体 / 磁気構造 / 磁場効果 |
Research Abstract |
本研究では主にLa_<2-x>Sr_xCuO_4を用いて中性子散乱実験を行い、Cuスピンのスピン相関の静的性質に関する詳細な研究を行った。これまでの中性子散乱実験の結果から、La_<2-x>Sr_xCuO_4低ホール濃度領域(0<x<0.055)のスピングラス相においては、斜めストライプ構造を反映していると思われる静的秩序が存在することがわかっている。我々はこの相でどのような磁場効果が見られるかを調べるために中性子散乱実験を行った。実験は日本原子力研究所東海研の改造3号原子炉に設置されている既存の中性子分光器TAS-2、LTASと10T超伝導磁石を組み合わせて用いることによって行った。x=0.014,0.024の試料における磁場効果(H//CuO_2面)を調べたところ、磁場の増加と共に磁気反射強度が徐々に減少することがわかった。系統的な実験を行った結果、これはLa_2CuO_4で見られるような非対称(Dzyaloshinski-Moriya)相互作用に起因している可能性が強いことがわかった。つまり、磁場中でスピンの回転が起こりスピン構造が変わるために、(1,0,0)付近の強度が減少していると考えられる。この結果はスピングラス相においても一軸性の磁気異方性が存在することを示している。また、磁場中で非整合磁気ピークの非整合度やピーク幅がほとんど変化していないことから、この非整合性は磁気相互作用に起因するのではなく、電荷秩序によって引き起こされている可能性が強いことがわかった。上述の磁気相互作用はスピンの方向を決定することと静的秩序を安定化するために働いていると考えられる。 また、関連物質として、電子ドープ型銅酸化物超伝導体Nd_<2-x>Ce_xCuO_4の静的磁気構造の磁場効果や、ホールドープ可能な一次元磁性体Ca_<2+x>Y_<2-x>Cu_5O10の静的磁気構造に関する研究を行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)