Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
PINフォトダイオード(PD)を用いたラドン濃度連続測定器は,平成元年に岐阜大学で考案されたものである。本ラドン検出器は,多くの研究機関のニュートリノ物理学研究分野で利用されている。本研究ではこのPDを用いたラドン検出器のバックグラウンドをさらに一桁減らして,ラドン検出器の検出感度を0.1(mBq/m^3)領域まで向上させることを目的とする。バックグラウンドを減らす第一の方法はPDのパッケージのセラミックに含まれるU,Th,Kの含有量を一桁以上減らすことである。このことにより,セラミックの表層から放出される連続エネルギーを持ったα線,β線のバックグランドを減ずることができる。バックグラウンドを減らす第二の方法はステンレス製の静電捕集容器の表面研摩処理に,浸漬電解研摩法と併せて新しく電解複合研摩法を施工することにより,ステンレス表面平滑性を約一桁改良して,0.05μmの超高品質鏡面に仕上げることである。 ラドン検出器はステンレススチール製の静電捕集容器,PD,増幅回路,高電圧分割回路より構成されている.ラドン検出器の溶接部の加工精度を上げるとともに構造を局面状にして,内面を電解複合研磨法で鏡面仕上げ(Rmax=0.4μm)する改良を行なった.使用したPDのセラミック基板材料の放射能をゲルマニウム検出器で測定して、MA960セラミックを使用したラドン測定用PDの開発を行なった.このセラミック基板のPD当たりの放射能はウラニウム系列で0.004Bqであり,従来品の1/40に低減した.また,トリウム系列(0.007Bq)で1/10,^<40>K(0.03Bq)で1/30と低減している. ラドン検出器の内部から発生するラドンのバックグラウンドを測定するために,^<214>Poの1日あたりのカウント数を求めると、4.4±0.7^<214>Po/dayとなった。この値は1997年論文の実験結果23.0±4.3^<214>Po/dayと比較して、1/4以下に減少した。ラドン検出器の捕集電圧特性を調べた.捕集電圧を-500Vから-2,900Vまで変化させて測定を行なった.捕集電圧が-2,000V以上では、校正係数が0.93[(^<214>Po/day)/(mBq/m^3)]で一定になっていることが明らかになった.湿度特性実験を行なっているが,絶対湿度0.095g/m^3,捕集電圧-2,900Vでの校正係数は1.06[(^<214>Po/day)/(mBq/m^3)]である,今までの検出器と比較して湿度特性が顕著ではない. この検出器のラドン濃度検出限界値は6mBq/m^3となった。この値は1997年論文の実験結果13mBq/m^3と比較して、1/2以下に減少した。
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