Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
これまでのin vivoでの検討で,周生期に低濃度のDESに曝露したマウスでは,成熟後,情動・学習・性行動などに多面的な行動障害が生ずること,視床下部腹内側核でエストロゲン受容体陽性細胞数の増加が認められることを見出した.こうした変化の原因が,曝露直後の新生仔期に既に認められるか否かを,新生仔期の脳で,ウェスタン.ブロッティング,免疫組織化学を用いて調べたところ,視床下部のエストロゲン受容体,リン酸化ERK/MAPキナーゼなどの量は,曝露の影響を受けていなかった.なお,同様の検討をビスフェノールAを用いて行なったが,DES同様,これらの指標に対する効果は認められなかった. In vitroの検討では,前年度までの結果を踏まえ,より基礎的な立場から,エストロゲンがシナプス形成に及ぼす影響の作用経路を,ラットの視床下部由来神経細胞の初代培養を用い,免疫組織化学,共焦点レーザー顕微鏡解析,薬理学的解析を適用して検討した.その結果,エストロゲンならびにビスフェノールA,ノニルフェノールが,至適濃度(10〜100nM)においては、少なくとも2つの細胞内経路によって樹状突起の成長とシナプス形成をそれぞれ促進していることが示唆された.すなわち,1つの経路は,エストロゲンの核内受容体を介する経路で,これはタンパク合成を伴う.もう1つは、膜上に存在するエストロゲン受容体を介する経路である。また、後者の経路には、ERKが関与する可能性が示唆された.これまでエストロゲン作用の指標として用いていたシナプシンIとMAP2とは,作用経路が異なることが示唆された.これらの指標に対する影響の相対的な大きさによって,内分泌撹乱化学物質の作用機序を識別できる可能性が示唆されたと考える.
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