内分泌撹乱物質がヘルパーT細胞分化に及ぼす影響-アレルギー性疾患の増加との関連性-
Project/Area Number |
14042221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
大嶋 勇成 福井大学, 医学部, 助手 (40303391)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,200,000 (Direct Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | Bisphenol A / Nonylphenol / Th2 / IgE / 母乳 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
経胎盤、経母乳を介してのBisphenol A、nonylphenolへの暴露が、世代のナイーブT細胞の免疫応答能やIgE産生にどの様な影響を及ぼすかを検討した。bisphenol A (1ppm)またはノニルフェノール(0.1ppm)を母親マウスに経口投与し、仔マウスの血清IgE値、脾細胞の機能を解析した。その結果、bisphenol Aとnonylphenolの次世代への影響に性差を認め、nonylphenol暴露により雌仔マウスの血清IgE値は高値を示した。また、bisphenol A暴露により、脾細胞の抗原特異的IL-4産生が増強し、IFN-γ産生が抑制され、Th2にシフトしたサイトカイン産生傾向が認められた。bisphenol Aとnonylphenol暴露は、T細胞の割合を減少させるが、その減少効果はCD8陽性T細胞に強く認めら、相対的にCD4陽性T細胞の機能が増強されることが推測された。授乳期間終了時点でのマウスの血清中のbisphenol A濃度を測定した結果、母マウスで1.41±0.66pg/ml(0.70〜2.33pg/ml)で子マウスで3.971±2.40pg/ml(0〜6.74pg/ml)だった。同一のELISAを用いて測定したヒト臍帯血血清中のbisphenol A濃度は、102検体中48検体が測定感度以下であり、最高値19.27pg/ml、中央値は0.46pg/mlであった。ヒト臍帯血血清中濃度に比べ今回の実験で仔マウスが暴露されたbisphenol A濃度は1オーダー高い濃度に相当するため、今回観察された現象がヒトでも生じているか否かは濃度を変えての検討が必要であるが、一部の新生児では仔マウスが暴露された濃度以上のbisphenol Aに一時的でも暴露されていると推測され、アトピー素因に何らかの影響を与えている可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)