内分泌攪乱物質によるマウス未成熟卵母細胞のカルシウム振動擾乱機構の研究
Project/Area Number |
14042268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
毛利 達磨 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (60290912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 繁 近畿大学, 理工学部, 教授 (60145224)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | エストロゲン / 内分泌撹乱物質 / 卵母細胞 / 自発的カルシウム振動 / E2 / E2-BSA / ビスフェノールA / エストロゲン(E2) / 未成熟卵母細胞 / カルシウム振動 |
Research Abstract |
目的 エストロゲン類似内分泌攪乱物質の未成熟卵母細胞(以下、卵母細胞)に対する作用を調べるために、マウス卵母細胞の自発的カルシウム(Ca^<2+>)振動に対するエストロゲン(17β-estoradiol ; E2)の効果を調べる。また卵母細胞の自発的Ca^<2+>振動の生理的意義を検討する。 方法 ICR雌マウスを用い、単離卵母細胞と卵巣スライスで細胞内Ca^<2+>の蛍光測定を行った。単離卵母細胞はCa^<2+>結合蛍光色素Fura-2AMで染色し、顕微鏡下で蛍光による自発的Ca^<2+>振動測定と同時に明視野の形態変化観察を行った。Ca^<2+>蛍光測定には高速Ca^<2+>蛍光解析装置Argus HiSCA(浜松ホトニクス)を用いた。一方、卵巣スライスもFura-2AMで染色し、Argus50(浜松ホトニクス)で観察測定した。卵培養液(M2)を潅流後、様々な濃度(1nM-10μM)のE2およびE2-BSA(細胞膜不透過のE2)を含むM2を潅流した時のCa^<2+>振動の変化を測定、解析した。 結果と考察 (A)単離卵母細胞の約70%が自発的Ca^<2+>振動を示した。 (B)E2、E2-BSAはともにCa^<2+>振動の持続時間を濃度依存性(1nM-1μM)に短縮するだけでなく、振動パターンを乱し、振動数を有意に減少させた。このことから、E2の抑制作用は細胞膜を介すると考えられる。 (C)卵巣スライスの卵母細胞も信号は小さいが自発的Ca^<2+>振動を示したので、この生理的重要性について、更なる研究が待たれる。 (D)エストロゲン類似内分泌攪乱物質、ビスフェノールA(BPA)の卵母細胞への潅流投与(10μM)は、規則的Ca^<2+>振動のパターンを乱し、振動を可逆的に停止した。この振動パターン撹乱作用は、E2やE2-BSAに比べて顕著であったことからBPAの卵細胞成熟過程に対する影響が危惧され、今後益々の研究が望まれる。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)