アセチレンコバルト錯体を利用する立体選択的天然物合成と方法論開発
Project/Area Number |
14044039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
磯部 稔 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (00023466)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 合成化学 / 超分子化学 / 分子認識 / 有機化学 / 有機金属化学 / シガトキシン / 収束型合成 / 全合成 / アセチレンコバルト錯体 / 還元的脱コバルト化反応 |
Research Abstract |
海洋猛毒であるシガトキシンの化学全合成を目的としている。抗体となる分子の創成を通して食中毒により引き起こされる社会的問題の解決の一途とするのが副目的である。シガトキシン分子のポリオキシエチレン構造をもととする多環骨格は、syn/trans型の立体化学が繰り返されている。この分子を合成する目的で、アセチレンのコバルト錯体の新しい化学を開拓した。その成果の一つが、中員エーテル環形成の立体選択的反応で、その後コバルトをスズヒドリドやケイ素ヒドリド化合物と加熱することで、還元的な脱錯化がおこり、オレフィン成績体をきれいに与える。化学量論のコバルトを用いる場合に、脱離したコバルトが別の活性を持ち、2重結合の異性化やアルコールのシリルエーテル化をもたらすことがわかった。これを防止するために、ビストリメチルシリルアセチレンを添加すると良いこともわかった。この反応機構から、ヒドロシリル化ではアセチレンに活性を持つコバルト種が存在することがわかったので、考察の結果ヒドロシリル化反序を触媒的に進行させることを目的とした。その結果、別のアセチレンを予めコバルト錯体としておき、この空気中で安定な反応剤を10%程度の触媒量で進行させる反応系を確立することができた。さらに、鎖状アセチレン化合物を前駆体として、試薬として10モル%程度のブーチンアルコールコバルト錯体を用いて酸性条件で一挙にコバルト交換・ヒドロシリル化・環化の3段階をワンポットで達成することにも成功した。これらの手法を用いて、シガトキシン全合成も最終段階にかかっている。全合成に対する準備状況はきわめて良い。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)