Project/Area Number |
14045256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久枝 良雄 九州大学, 工学研究院, 教授 (70150498)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 合成二分子膜 / 疎水性ビタミンB12 / ヒト血清アルブミン / 再構成ミオグロビン / 鉄ポルフィセン / 酸素親和性 / ハイブリッド組織体 / 人工酵素 |
Research Abstract |
物質生産を効率的に進めるための有効な触媒として、組み合わせにより多種多様な触媒材料創製が可能な非共有結合型有機無機ハイブリッド触媒材料の開発を行った。天然酵素の構造を模範とし、アポタンパクモデルと金属錯体の組み合わせにより有機無機ハイブリッド組織体を創製し、以下の結果を得た。 1.二分子膜型ハイブリッド組織体 合成二分子膜と疎水性ビタミンB12の組み合わせによるビタミンB12人工酵素を構築した。近年明らかになったビタミンB12酵素のX線構造解析の結果をもとに、反応に重要な役割を果たしていると考えられるアルギニン、ヒスチジンを合成脂質に導入した。これらが水中で形成する二分子膜中に、ビタミンB12を疎水的に化学修飾した化合物を取り込ませ、二分子膜型ビタミンB12人工酵素を構成した。この人工酵素系では、合成二分子膜のミクロ環境効果によりアポタンパク機能が発現し、均一溶液中では進行しない官能基の1,2-転位反応を効果的に進行させることに成功した。 2.アルブミンとビタミンB12誘導体からなるハイブリッド組織体 ヒト血清アルブミン(HAS)とビタミンB12誘導体との組み合わせにより、B12人工酵素系を構築した。HAS中に取り込まれたビタミンB12誘導体は、バルク水相から隔離され非極性なミクロ環境に存在しており、分子運動が抑制された特殊環境にあることが明らかになった。本ハイブリッド組織体を用いることにより、ビタミンB12酵素に特徴的な官能基の1,2-転位反応が進行した。 3.再構成ミオグロビン(ブルー・ミオグロビン) 酵素機能の改変法の1つとして、補欠因子を合目的に分子設計された物質で置き換える再構成法がある。天然ミオグロビンから天然ヘム(プロトヘムIX)を除去し、代わりに人工合成した鉄ポルフィセンを導入した。この再構成ミオグロビンは青色をしており、ブルー・ミオグロビンとよぶ。このブルー・ミオグロビンは、天然ミオグロビンと比較して自動酸化されにくく、酸素との親和性が天然ミオグロビンより1,400倍も大きい。さらに、興味深いことに、天然ミオグロビンと異なり、一酸化炭素よりも酸素に対する親和性が大きい。このように、鉄ポルフィセンとアポミオグロビンの複合化により、極めて興味深い認識特性が発現したと言える。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)