Budget Amount *help |
¥34,600,000 (Direct Cost: ¥34,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥9,200,000 (Direct Cost: ¥9,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥8,300,000 (Direct Cost: ¥8,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥8,100,000 (Direct Cost: ¥8,100,000)
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Research Abstract |
2003年のTAMA300の第8回目観測と,アメリカのLIGO検出器の第2回目観測は同時観測として行われた.このデータについてLIGOグループと共同のデータ解析を行い,合体する中性子星連星からの重力波探査を行った.今年度は,全データの解析を行った.その結果,有意な重力波イベントは見つからなかった.また,イベントレートの上限値として,我々の銀河系1つあたり,1年に49イベント,という値を得た.2003年時点で,TAMA300はLIGOにくらべて感度は10分の1から50分の1程度であったが,この値は,複数台のLIGOだけで出した値とほぼ同じ値である.これはTAMA300の観測期間中に実際に検出器が正常動作した時間がLIGOに比べて大きかったことが理由である.高い稼働率を出すことの重要性が実際の観測により示されたことになる.この結果はPhysical Review Dに近々掲載予定である. また,2004年の始めに行われた,TAMA300の第9回目の観測時データを用いた,合体する中性子星連星からの重力波探査を行い,イベントレートの上限値の導出を行った.そして我々の銀河系で起きるイベントレートとして,1年に60イベントという上限値を得た. 更に,将来の複数のレーザー干渉計検出器での重力波観測での,データ解析方法の検討を行った.複数の検出器での,マッチドフィルター解析の代表的解析方法である,コインシデンス法とコヒーレンス法と呼ばれる2つの方法を,解析的方法とモンテカルロシミュレーションによって調べた.その結果,質量パラメータ数が大きくてもコヒーレンス法の方がコインシデンス法より高い検出効率が得られることが分かった.検出器間の雑音の相関がある場合にも,相関があまり大きくなければ(10%程度),コヒーレンス法が優れていることが分かった.
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