量子ドットによる歪み誘起バンドギャップ変化を利用した太陽電池用材料の創製
Project/Area Number |
14050011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇佐美 徳隆 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20262107)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 量子ドット / 太陽電池 / ゲルマニウム / シリコン / 分子線エピタキシー |
Research Abstract |
本研究においては、ナノスケールGe量子ドット構造を内包するSi結晶の作製と、高効率太陽電池材料としての有用性について検討を行った。太陽電池の基本構造は、ナノスケールGe量子ドットとSiの積層構造をpn接合の空乏層内に導入した構造である。高効率化実現のためには、Ge量子ドットによって吸収されるSiを透過する太陽光長波長成分が、光電流として有効に発電に寄与することが要請される。その実現にためには、再結合中心の少ない良質な結晶作製技術の確立するとともに、Geドットのポテンシャル形状とpn接合による内部電界の制御により有効に光励起キャリアを取り出せるデバイス構造設計が重要となる。 今年度は、Si基板上にGe量子ドット積層構造を作製し、太陽電池に加工して動作確認を行うとともに、分光感度特性評価によりSiを透過する長波長域での感度発現を目標として研究を遂行した。試料は、ジシランとゲルマンを原料とするガスソース分子線エピタキシー法により作製した。P型Si(100)基板上に、8原子層のGeと39nmのSiを繰り返しの基本構造として10〜100回積層した後に、1μmのSiキャップ層を成長した。太陽電池への加工プロセスは、表面にスピンコートしたOCD溶液からの不純物拡散によるn型層の形成、裏面・表面への電極用金属の蒸着からなり、高効率化のために一般的プロセスとして取り入れられている表面テクスチュア形成、反射防止膜形成、BSF構造などは取り入れていない。 作製した太陽電池の分光感度特性を評価したところ、Geドットを内包するデバイスにおいては、Si太陽電池を透過する波長域において感度が発現した。長波長での量子効率は、積層回数を増加させるに伴い増加した。よって、Geで吸収された光の一部は発電に寄与していることが確認できた。今後は、デバイス構造やプロセスの最適化により、Si太陽電池を上回る変換効率を実現することが課題である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)