疎水的環境場を持つ分子集合系と生体高分子を利用した光化学反応制御
Project/Area Number |
14050018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
新井 達郎 筑波大学, 化学系, 教授 (50151139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 公憲 筑波大学, 化学系, 講師 (70229300)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 光エネルギー / 水素移動 / 電子移動 / 水素結合 / 異性化 / 励起状態 / 蛍光 / ラジカル |
Research Abstract |
光エネルギーの利用に向けて、光エネルギーの伝達やその機能の発現が有効に行われる必要がある。その場合精巧に構築された超分子システムが必要で、これらの持つ、物理的特性を理論的かつ多角的に明らかにする必要がある.本研究では、疎水的環境場を利用した光化学反応制御を展開させた。 1)分子間の4重水素結合を活用して高効率なエネルギー移動系や電子移動系を構築した。 例えば、ピレン環を連結した4重水素結合系では極めて低い濃度でエキシマーの生成が確認された。また、非常に低濃度でも水素結合を介して、ドナー・アクセプターを近接させることにより、励起エネルギー移動や光誘起電荷移動を起こさせることができた。 2)界面光化学反応への展開として、いくつかのデンドリマーの合成と光応答性を検討した。特に、ポリフェニレン置換デンドリマーや水溶性可逆応答性デンドリマーを合成し、単分子ミセルとしての活用、油水界面の機能の光制御、光機能性ナノ分子としての応用を検討した。例えば、水溶性のデンドリマーは現在3世代まで合成し、光反応性や蛍光挙動を検討した。1世代は塩基性水溶液中でシス体とトランス体相互に光異性化を起こしたが、2世代になると光定常状態で99%シス体を与え、3世代ではほぼ100%のシス体を与え、顕著なデンドリマー効果が観測された。 3)フラビン類は生体の電子伝達系において補酵素として働き、その電子移動反応は、生体環境場に関連するモデル系となるため、磁場効果アクションスペクトルを用いて、ラジカル対の構造及びダイナミクスを検討した。すなわち、励起三重項状態と電子移動反応により生成するビラジカルとの間に行き来が存在し、それは、溶媒からのプロトン付加により誘起されることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)