光触媒利用のブレークスルー的新機能性の発現とその利用に関する研究
Project/Area Number |
14050019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
吉原 佐知雄 宇都宮大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70220712)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 光触媒 / 酸化チタン / ガスフロースパッタリング / ゾルゲル電気泳動 / 光カソード防食 / 窒素ドープ / 可視光活性化 / QCM |
Research Abstract |
光触媒は、環境浄化材料として幅広く用いられるようになった。そこで、より簡便な固定化・成膜が期待されている。現在、光触媒型酸化チタンの固定化としてゾル・ゲル法が汎用されているが、十分な光触媒機能性を持たせるためには、300℃以上の熱処理が必要であり、母材に熱的な制限が加わる。本研究では、ゾル溶液から電解により固定化した酸化チタン皮膜が、熱処理を施さなくても良好な光触媒活性を示したことについて、解析を行った。このゾル・ゲル電気泳動電着法により作製した酸化チタン光触媒皮膜は、熱処理を施さなくてもST-01より良好な光触媒活性を示した。本手法は、低耐熱性材料への固定化法として期待できる。また、ガスフロースパッタリング法では、チタン(金属)をターゲットに用いて、酸素を気体として導入し、基板上に酸化チタンとして成膜する方法である。この方法ではスパッタ粒子の持つ運動エネルギーの大きさに特徴がある。通常のスパッタリング法では雰囲気ガス圧力が10^<・3>〜10^<・2>Torr、或いはそれ以下の圧力下で動作する。その圧力領域は平均自由行程が数十cm程度であるため、スパッタ粒子はその運動エネルギーをあまり失うことがなく、10eV程度の運動エネルギーをもったまま基板へ入射する。これに対して、本研究で用いたガスフロースパッタリング法では、1Torrレンジの高圧化で動作するため、低い運動エネルギー蒸気の堆積が可能となる。そのため、基板温度の上昇を低く抑え成膜することが出来る。本手法ガスフロースパッタ法により得られた皮膜はST-01と同等あるいは、それ以上の活性を有することが確認できた。また、本法は酸素と同時に窒素をチャンバー内に導入することで、窒素ドープ酸化チタンも作製することが出来る。作製された窒素ドープ酸化チタンの各光波長の光に対する活性を、ドープしない酸化チタンと比較したところ、窒素ドープ酸化チタンは可視光に対して、通常の酸化チタンの場合より、活性が高いことがわかった。また、辻川らが報告した光カソード防食の考えを表面処理皮膜(鉄-クロム合金めっき)に適用するとともに、酸化チタンを気相に設置した場合においても、その防食効果をQCMを用いることにより定量的に評価することができた。この系は、開回路系と考えられるため、もはや先の光カソード防食の考え方では説明することができない。これを我々は新しい光触媒的防食効果と考え、そのメカニズムについて現在、検討中である。また、大気腐食系への適用を考慮し、恒温恒湿環境中での試験も行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)