Project/Area Number |
14050040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
平野 誉 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (20238380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 昌次郎 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (20266349)
丹羽 治樹 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20135297)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 生物発光 / 科学発光 / 超分子 / 電子移動 / 置換基効果 / 発光素子 / 発光蛋白質 / 反応機構 |
Research Abstract |
生物発光の優れた発光素子機能を利用したナノスケール発光機能素子開発の基礎を固めるため、本研究では、生物発光の分子機能解明と新規機能性発光素子構築をめざした。特に、イクオリン生物発光系を題材に(1)タンパク質超分子環境場による反応制御メカニズムの解明と(2)発光効率を支配する電子移動機構の確立を目的とした。さらに(3)生物発光系を基盤とした機能性発光素子の開発を進めた。 (1)イクオリン生物発光の発光体である蛍光色素セレンテラミドの蛍光特性に及ぼすタンパク質超分子環境場の影響を明らかにするため、天然型セレンテラミドと電子的な摂動を与えたメチルアナログを用い、これらのフェノレートアニオン(生物発光におけるイオン構造)の蛍光特性に及ぼす分子環境場の効果を調べた。分子環境場の制御としてはアニオン発生に用いる塩基の効果を調べた。この結果、セレンテラミドのフェノレートアニオンは一重項励起状態にて分子内電荷移動性を持ち、分子近傍の水素結合受容体の塩基性度や5位のフェニル基とのπ共役の変化によって蛍光特性が大きく変化することがわかり、ミクロ分子環境場の蛍光プローブとして有用であることが明らかとなった。 (2)発光反応おける電子移動過程の役割を明らかにする基礎として、発光基質の基本構造イミダゾピラジノン環の基本物性を確立した。特にイミダゾピラジノン構造は芳香族性を高めるためにC=0部位に負電荷の偏った分極構造を取ることがわかった。さらに発光反応における酸素分子との電子移動反応性や特異な発色性にイミダゾピラジノン環の高いHOMO準位が関与することが明らかとなった。 (3)機能性発光素子の開発として、アリル基を系統的に導入したイミダゾピラジノン誘導体を新規合成して化学発光性を調べた。この結果、発光波長制御の制御に成功し、フェニル誘導体による青色からピレニル誘導体による橙色の化学発光を実現した。
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