磁場によってナノ構造および光特性を制御した新規光機能材料の創製
Project/Area Number |
14050076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
米村 弘明 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (40220769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 毅 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20304751)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | フラーレン / フェノチアジン / ポルフィリン / カルバゾール / ビラジカル / 磁場効果 / クラスター / 磁場配向 |
Research Abstract |
"磁場"によってナノ構造におけるスピンを活用する事で光特性を制御すると共に、"磁場"によってナノ粒子から構成されるナノ構造を制御する事で、ナノ構造"独自"の特性を持つ新規光特性(発光特性、光非線形特性、光電変換特性,光磁気特性等)を有する新規光機能材料の創製を図ることを目的として研究を行った。具体的には以下の研究を行った。 1.ナノ構造の光物性に対する磁場の影響を検討する前に、最初にモノマー状態の溶液における光誘起電子移動反応に対する磁場効果に関する測定を行った。フラーレン(C_<60>)とドナー(D)をつないだD-C_<60>連結化合物を合成して使用した。フェノチアジン(PH)-C_<60>連結化合物(1(n)(n=8,10,12))、カルバゾール(Cz)-C_<60>連結化合物(2(8))、亜鉛ポルフィリン(ZnP)-C_<60>連結化合物(3(8))について検討を行った。連結化合物の溶液をNd-YAGレーザーによって光励起(532nm)し、過渡吸収スペクトルを測定した。過渡吸収スペクトルより、ベンゾニトリル溶液では2(8)ではCzから^3C_<60>^*への分子内電子移動が起こらず、1(n)、3(8)ではPHまたはZnPから^3C_<60>^*へもしくは^3ZnP^*からC_<60>への電子移動が起こり、3重項ビラジカルが生成している事がわかった。また、ビラジカルの寿命は磁場の印加に伴って0.2T付近まで延び、それ以降の0.2T以上では磁場の増加に伴って少し短くなる傾向が観測された。 2.C_<60>誘導体のTHF:水混合溶媒における吸収スペクトルではC_<60>誘導体が集合したクラスター状態をあらわすブロードな吸収帯が観測された。この混合溶媒をマイカ基板上に滴下して乾燥させた。この滴下・乾燥過程に磁場を印加したサンプルと磁場を印加しないサンプルを作成して、AFMによって両者のナノ構造を比較した。磁場を印加しない場合は円状のナノ構造が観測されたのに対して、磁場を印加した場合は縦長の楕円状のナノ構造が磁場方向に対して垂直に配向した像が部分的に観測された。これは磁場によってナノ構造が変化し、かつ配向したと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)