ナノスケール自己組織体の会合変化を利用した光による粘性の制御
Project/Area Number |
14050092
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
酒井 秀樹 東京理科大学, 理工学部, 講師 (80277285)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 正彦 東京理科大学, 理工学部, 教授 (40089371)
|
Project Period (FY) |
2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
|
Keywords | 界面活性剤 / アゾベンゼン / 光異性化 / 粘度 / 紐状ミセル / 光制御 / レオロジー / ミセル |
Research Abstract |
可逆的なトランス/シス光異性化反応により界面化学的性質が可逆的に変化するアゾベンゼン修飾カチオン界面活性剤(AZTMA)を用いて、水溶液の粘性を可逆的に光制御することに成功した。セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)/サリチル酸からなる高粘度紐状ミセル水溶液にAZTMAを取り込ませ、溶液の粘度に及ぼす光照射の影響を調べた。AZTMAは紐状ミセルネットワーク中でも可逆的な光異性化を示した。トランス-AZTMAを添加すると紐状ミセル水溶液の粘性はさらに増大したのに対して、これに紫外光を照射してシス体へと異性化させると粘度は著しく減少した。光照射による粘性変化はAZTMAの添加量に比例して大きくなり最適条件下では千倍以上にも達したことから、ダイナミックな粘性制御が可能であった。また、紫外光/可視光の繰り返し照射による粘性変化の可逆性も良好であった。粘性変化の機構について、動的粘弾性測定(貯蔵弾性率、損失弾性率測定)により検討したところ、トランス-AZTMAの添加は紐状ミセルどうしの絡み合いを促進して溶液の粘性を増大させるのに対して、シス体の存在下では、ミセル同士の絡み合いが生じにくい球形に近いミセルへと変化するために粘性が減少することが分かった。さらに、本研究で見出した光による粘性変化現象を、分子集合体内部に内包させた香料の揮発速度のスイッチングおよびインクジェットプリンターインクの吐出速度制御に応用する検討も行った。特に後者では、ノズル内に封入したインクを光照射時にのみ吐出させることに成功した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)