Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 武義 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (80004505)
中村 美千彦 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (70260528)
伊藤 高敏 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (00184664)
中嶋 悟 (中嶋 聡) 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (80237255)
寅丸 敦志 九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (50202205)
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Budget Amount *help |
¥253,700,000 (Direct Cost: ¥253,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥28,300,000 (Direct Cost: ¥28,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥42,000,000 (Direct Cost: ¥42,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥61,600,000 (Direct Cost: ¥61,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥113,500,000 (Direct Cost: ¥113,500,000)
Fiscal Year 2002: ¥8,300,000 (Direct Cost: ¥8,300,000)
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Research Abstract |
本研究は,火山爆発の発生前のマグマの状態と爆発的噴火プロセスの関係を明らかにすることを目的とし,これら爆発的噴火の準備に関する一連のプロセスを,発泡過程,脱ガス過程,火道開口・閉塞過程などの素過程に分解し,主に,実験的,理論的な研究を進めた.また,これらの過程を統合したモデルの構築や,噴出物の複数解析や他現象との比較検討に基づき,火道内の増圧過程やマグマプロセスを調べた.脱ガス過程について,主に室内実験の結果から以下のことが明らかとなった.マグマ内に剪断破壊により生じた通路や気泡連結による通路が生じている場合,浸透脱ガス流とともに気泡吸収がマグマ内で生じ,マグマ内に気泡の無い層を形成する可能性がある.また,発泡が十分進んでいない深い領域でも,剪断応力が大きい火道壁近傍などでは気泡が十分連結するため,脱ガスが進行することがある.火道や亀裂の閉塞過程の実験によって,高温マグマの貫入時には熱により周辺岩体が大きく変形し通路を閉塞することがあること,火山下の熱水流動による火山ガラスの水和・変質・溶脱過程により火山体を構成する媒質の浸透率が3桁以上変化すること,が明らかとなった.また,カルデラ崩壊とプルトン貫入の関係をもとに,カルデラの火道形成過程を考察した.マグマ上昇モデルの数値計算から,爆発的噴火前には,マグマが浅部に近づくにつれ揮発性物質の発泡によるマグマの体積増のため地殻変動が急速に進行するのに対し,非爆発的噴火の前には,脱ガスによるマグマ体積の減少が起こるため,急速な地殻変動は観測されないことが明らかとなった.火山噴出物解析を行い,火山灰の火山ガラスの特徴と,地震観測等の力学的条件から区別される桜島の爆発的噴火様式の関係を調べた.また,火山噴出物の水の実効的な拡散係数,色変化特性,浸透率測定から,発泡のその場観測などからマグマ上昇過程に関連した時間スケールを議論した.
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