ダイレクトダイナミックス法によるダイアモンド、グラファイト中の化学種の拡散機構
Project/Area Number |
14540460
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
清水 晃 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90002013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田地川 浩人 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10207045)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2003: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | 分子動力学 / 炭素クラスター / ナノ材料開発 / リチウムバッテリー / 拡散ダイナミックス / 機能設計 |
Research Abstract |
ガラス質カーボン繊維およびアモルファスカーボンは、リチウム2次電池の陰極として極めて効率の良い材料の一つであり、その化学的修飾により、さらなる高機能化が可能な物質として期待されている。しかしながら、カーボンシート上でのリチウムの電子状態および拡散メカニズムが不明であるため、新規な機能を有するカーボン材料の開発は試行錯誤的要素が強い。本研究では、ダイレクト・ダイナミックス法により、ガラス質炭素のカーボンシート上のリチウムの電子状態を理論的に明らかにし、さらに量子動力学計算にもとずき、拡散のメカニズムを解明した。また、新規な性能を持つグラファイトを分子設計した。 ダイレクト・ダイナミックス計算は、水素終端した炭素数50個あるいは150個からなるクラスターモデルを用いて、半経験MO(AM1)レベルにて計算した。構造最適化により、リチウムイオン(Li^+)および原子(Li)はともにクラスターモデルの周辺部で安定化することを明らかにした。各原子の電荷の検討結果と合わせると、Li^+イオンは、カーボンシートの周辺のエッジ部分(side edge)とカーボンシートの周辺の角のエッジ部分(corner edge)の両方の炭素とイオン結合をするが、Li原子はside edgeの炭素とsp^3混成軌道により共有結合的に強く結合することを明らかにした。カーボンシート上でのリチウムイオンおよび原子の拡散メカニズムを明らかにするため、ダイレクト・ダイナミックス法により、拡散ダイナミックスを計算した。その結果、リチウムイオンと原子は、まったく異なる動的挙動をとることが明らかになった。Li^+は解離して拡散によりクラスターのバルクを横切り、その後、クラスターから脱出する。拡散経路は最高被占軌道(HOMO)の節に沿って起こる。一方、リチウム原子は、共有結合を保ったまま、side edgeの炭素の周囲を振動するのみであり、700K以下では脱出は起こらないことを明らかにした。また、カーボンシート上にアルミニウムをドープすることにより、拡散速度が、8-10倍に加速する減少を発見し、新規なカーボン材料を理論設計した。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)