Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
同一の親株に由来し、同時に同一条件下に樹立された巨核芽球性細胞株YMP91-A,-C,および-Dを用いて巨核球・血小板系の分化増殖機構に関与する遺伝子群の探索をcDNAマイクロアレイを用いて試みた。最も未分化な表現型を持つYMP91-Aと、巨核球様分化が盛んなYMP91-Cおよび-D、各々の細胞株からmRNAを抽出した。既知遺伝子2304クローンをスポットしたcDNAマイクロアレイを作製し解析した結果、YMP91-Aと-Cの比較では53種、YMP91-Aと-Dの比較では23種の遺伝子が候補遺伝子として選出された。了解が容易な遺伝子として、血小板第4因子、Maltimerin(血小板α顆粒に含まれ凝固第V因子の貯蔵に関与するとされる)等が分化傾向の強い亜株に有意に高発現し、逆に分化傾向に乏しく増殖の盛んなYMP91-AにおいてPCNA、CyclinD1等が高発現を示していた。ノーザン解析にてもそれら遺伝子の発現は同様のパターンが確認された。アレイ解析にて有意差のある発現遺伝子のうち、細胞の増殖分化制御に関与すると思われる遺伝子群をノーザン解析にてスクリーニングし、興味ある遺伝子としてSWI/SNF complexの構成要素であるBAF60bの発現が巨核球様分化に従って、明瞭にその発現量を減ずることを確認した。SWI/SNF complexはMyoDを介した筋分化制御に関与することなどが既に報告されており、細胞分化に関し多岐に渡る重要な連関が予想される。さらに、SWI/SNF complexに依存するとされるEKLFも、全く同様の発現パターンを示すことも確認された。それらの遺伝子全長をYMP91-A株よりクローニングし、センス方向およびアンチセンス方向に組み込んだレトロウイルスベクターの作成を終えた。これらの感染実験にて、それぞれの亜株および対照細胞株における発現の増減による表現型の変化を検討中である。
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