Research Abstract |
1.引張ひずみ硬化型高靭性セメント複合材料の評価と利用に関する調査 引張ひずみ硬化型DFRCCは,引張応力を受けると,微細ひび割れが分散して生じ,大きな引張ひずみに耐えることができ,破壊の過程におけるエネルギー吸収量が極めて大きいという性能を有している.これらの性能を生かして,引張ひずみ硬化型DFRCCは,防食材,止水材,鋼材被覆材,エネルギー吸収材,緩衝材等への利用が期待される.こうした性能を生かした利用をはかるためには,構造利用を念頭においた評価項目,評価基準(閾値),評価試験方法の体系を整備し,材料構成則や設計施工指針等を調える必要がある.さらに,製造のしやすさ(品質管理)やフレッシュな状態での施工のしやすさに加え,耐久性,耐疲労性,耐熱性等の硬化後の性能についても,十分把握し必要に応じて改良する必要がある. 2.国際ワークショップの開催 平成14年10月21日〜22日に高山グリーンホテル(岐阜県高山市)において,JCI国際ワークショップ「高靭性セメント複合材料の適用と評価(DFRCC-2002)」を開催した.海外からDr. V.C. Li (USA), Dr. A.E. Naaman (USA), Dr. H.W. Reinhardt (Germany), F.H. Wittmann (Switzerland)を含め22名,国内から61名の参加があり,基調講演3件,委員会報告2件,一般講演23件が行われ,論文集(B5版298ページ)が出版された.展示やワークショップ後の見学(岐阜大学実験室,クラレ岡山工場)も行われた.国際的な研究者・技術者のネットワークの構築,力学特性・耐久性・品質管理に関する基礎データの収集,利用拡大と設計法の確立,試験方法の確立について,協力していくことを確認した.コンクリート工学2月号で詳細を報告した.
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