アイルランド文化における「トランスレーション」の役割-同一性から他者への出口
Project/Area Number |
14651085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
英語・英米文学
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
虎岩 直子 明治大学, 政治経済学部, 教授 (50227667)
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Project Period (FY) |
2002 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | アイルランド / トランスレーション / ポスト・コロニアル / 北アイルランド紛争 / 現代女性詩 / ホームシックネス / Medbh McGuckian / Vona Groarke / McGuckian, Medbh / Groark, Voana / ポストコロニアル / 英詩 / On Ballycastle Beach / Flight / 詩 / Tsvetaeva, Marina / Shelmalier |
Research Abstract |
平成16年度は、この課題に関連しだ口頭発表をふたつと論文二点を発表(平成17年4月、9月発行予定)した。また萌芽研究の最終年度に当たり、まとめとしての博士論文作成を中心に活動した。7月末、アイルランドのゴルウェイ大学で開催されたアイルランド文学国際学会(IASIL)で行った口頭発表では、現代女性詩人Vona Groarkeの作品の中に見られる芸術家の社会的責任と自由について、グローバル化していく社会の中でのローカルな文化の重要性と関連させて分析した。GroarkeはFlightという詩集で、産業革命後コロニー開発を推し進める英国社会批判を詩作品の中で行った18世紀の詩人Goldsmithを「トランスレーション」している。10月のIASIL日本支部学会ではアイルランド現代女性詩人の「ホームシックネス」というテーマの取り扱いについて論じ、「ポスト・コロニアル」の世界での望ましい「ホーム」の形態、他者が内在している自己と言う形を認めるという「ホーム」のありかたを目指す、男性中心的文化の中では「他者」でありながら、「母国・ホーム」のイメージを担ってきた女性作家たちの意識を分析した。科学研究費使用による8月の英国サセックス大学での研究では、北アイルランド女性詩人Medbh McGuckianの「トランスレーション」の意識についての博士論文の第5章を作成した。この章では、北アイルランド紛争のひとつの節目となるIRAの「停戦宣言」が1994年に出された事により社会政治的な発言が行いやすくなった状況で、McGuckianが明確に政治文化的な背景に言及するようになった動きを分析した。McGuckianは1990年代に入って以降ゲルニカを描いたピカソの言葉に触発されて、直接暴力・反暴力を描くのではない形で暴力的な状況を伝える事に専心している。虎岩は彼女の「芸術」による社会政治状況の「トランスレーション」を分析研究した。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)