近接場光プローブによる有機微結晶表面のナノスケール光誘起アブレーション
Project/Area Number |
14654053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 正 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60004503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 博 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40182000)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | ペリレン微結晶 / 近接場光学顕微鏡 / 光誘起構造変化 / 表面励起子 / ナノスケール光加工 / 自己束縛励起子 |
Research Abstract |
ペリレン微結晶の近接場光による表面加工に関して、以下のことが明らかになった。 前年度の研究で、室温において、ペリレン微結晶の励起子吸収帯付近の紫外線を近接場光プローブにより局所的に照射すると、結晶表面に穴が生じること、光誘起構造変化が100nm程度のスケールで起こることを明らかにした。 1.光誘起構造変化の効率が励起子吸収ピークでなく、少し高エネルギー側の表面励起子エネルギー付近で最大となる。光弾性変調器により偏光特性を精密に測れる測定系を整備し、励起子吸収の偏光選択則に従うことを示した。 2.光誘起構造変化が単なる熱分解ではなく、表面励起子の生成(電子励起)によって生じることから、光誘起分子乖離が起こっていることが示唆された。同時に分子の部分分解による沸点低下も候補と考えられる。 3.光誘起構造は光照射停止後に、表面エネルギーを下げるようにナノスケール構造を変える。その速度は数nm/分であることが求められた。 4.以上の結果を踏まえて、光誘起構造変化が特異な表面分子移動及び表面脱離により生じていることが現象論的に明らかとなった。 5.光アブレーションがどの様な有機物で可能かを調べる目的で、フィブロイン、ナノタレンについてレーザー照射下での発光スペクトル変化を調べた。 6.今後は光照射時の生成物の同定などを通じて、ペリレンの光加工の原理を明らかにするとともに、同様の現象が他の有機微結晶でも実現するかを探索し、光加工後の安全性を追求する。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)