彗星、エッジワース・カイパーベルト天体の力学物性と衝突破壊強度
Project/Area Number |
14654082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Space and upper atmospheric physics
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
荒川 政彦 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10222738)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 空隙率 / 衝突破壊 / ユゴニオ / 衝撃波 / 雪 / 反対点速度 / 氷微惑星 / 蛇紋岩 / 氷天体 / 氷・岩石混合物 / クレーター / 高速度カメラ / 一段式軽ガス銃 / 破片速度 |
Research Abstract |
本年度は、様々な衝突条件下で氷・岩石混合物の破壊モード、破片の飛翔速度、衝撃圧の減衰率を実験的に調べた。氷・岩石混合物試料は氷と蛇紋岩粉末を質量比1:1で混合して作成した(密度1350kg/m^3)。試料の形状は直径50mmの円筒形とサイズ20mmx20mmの直方体であり、それぞれ厚さを2.4〜46mm、10〜30mmの間で変化させた。衝突実験は低温室(-10℃)に設置した二段式軽ガス銃を用いて行なった。弾丸はナイロン円柱(直径1.6mm、質量7mg)で、その衝突速度は2.9〜3.8km/sであった。衝突過程は高速度デジタルビデオカメラ(撮影速度:3000fps〜8000fps)とイメージコンバーターカメラ(2〜5x10^5fps)により観察した。(破壊モード)試料の厚みが薄い円板の場合、試料の中央部に貫通孔が作られるのみで周囲はほとんど破壊を受けない。試料が厚くなるにつれて、中央孔から放射状に伸びるクラックが発達するようになり、試料全体が破砕される。しかしながら、直径と厚さの比が1:1に近づくとクラックの成長は抑制され、試料全体の破壊は起こらずにクレーター孔だけとなる。(反対点速度)衝突の反対点における破片速度は試料が厚くなるにつれて遅くなるが、その時の速度と試料厚の関係は試料の形状に依存する。直径50mmの円板試料は、サイズ20mmの直方体試料と比較すると常に同じ試料厚で速度が遅くなっている。円板試料では側面からの反射波による破壊が起こらず、反対点付近からの反射波によるスポール破壊により破片は加速される。一方、直方体試料では側面から強い反射波が来るため反対点付近ではこの側面反射波により破砕を受け、背面からの反射波はほとんど強度を失った試料を加速することになる。この加速メカニズムの違いが上記の差を生じさせたと思われる。直方体試料の場合、試料厚(L)と反対点速度(v_a)の関係は、v_a∝L^<-3.0>となった。この減衰率3.0は氷の場合(2.2)と比べてかなり大きい。また、速度の絶対値も氷の約半分までと遅くなっている。反対点速度を自由表面速度とみなして上記の関係を衝撃圧力の減衰率に換算し直すと、圧力の減衰率は距離の-2.7となった。これは氷の-2.2と比べると有意に大きな値である。(破片質量と速度の関係)高速度カメラの撮影画像から得られた破片サイズを用いて、反対点における破片質量(m_a)と飛翔速度の関係を求めることができた。この関係は、試料の形状に関係なくv_a=7.1m_a^<-0.35>となった。これは、破片が受ける単位面積あたりの力積が衝突条件や破片サイズに関係なく一定であることを意味していると思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)