Project/Area Number |
14654105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
宮城 雄清 琉球大学, 理学部, 教授 (20157605)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米蔵 誠哲 琉球大学, 理学部, 助教授 (60291100)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2003: ¥100,000 (Direct Cost: ¥100,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 共振器QED / 光化学反応制御 / 顕微分光 |
Research Abstract |
本申請研究は、共振器QEDの原理に基づき溶液中の光化学反応速度を共振器の変調により改変する新しい光反応制御法の確立を目的としている。 前年度に引き続き、倒立顕微鏡・ホトンカウンティングを用いた増強・抑制の定量的試験を実施した。誘電体薄膜に挟まれたローダミン等の蛍光量子収率の高い分子については、薄膜間隔(共振器長)のマイクロメータを用いた変調により、蛍光放出頻度の80%の抑制ができた。増強率は、抑制に比べかなり低く最大で5%程度であった。 この方法による蛍光制御は蛍光色素の基板への吸着に状態にかなり依存するため再現性に乏しい。そこで、蛍光色素を内包したSDS界面活性剤二分子膜を挟んだ共振器等について、蛍光の制御の方法を試行錯誤した。しかし、結果として再現性は向上したが増強率を向上させることはできなかった。励起状態にある蛍光色素は溶存酸素との反応で退色することに注目し共振器を用いた光退色反応の制御を試験した。蛍光放出頻度と退色度の相間を調べたところ、共振器により蛍光放出頻度が低くなれば、退色度が増強される傾向がかなり弱くではあるが観測できた。更に、スチルベン誘導体等の光異性化反応についても、退色反応と同様な試験を行ったが、紫外線励起が必要なこれらの分子は、ホトンカウンティングするに必要な低濃度条件では、退色時間が十秒程度でかなり速く、蛍光信号の獲得そのものが困難であった。 研究期間内に、申請書において提案したトロポロン水素移動等の明確な光化学反応の制御を実現することはできなかったが、共振器変調により蛍光放出と競合する励起状態反応を増強する指針が得られたと考えている。
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