超分子複合体を用いた光合成モデルシステムの構築をめざして
Project/Area Number |
14654112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川瀬 毅 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10201443)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 人工光合成 / 円筒状共役分子 / フラーレン / 超分子化学 / 超分子相互作用 / 錯形成 |
Research Abstract |
光捕獲アンテナ系を構成するたんぱく質・色素複合体は、多数のクロロフィルが円形にならぶ特異な構造を持ち、一つの超分子集合体として光エネルギーを捕らえ反応中心へと伝達する役割を果たしている。この特異な構造と性質との相関を解明し、分子機能として応用するためには構造のはっきりと決まったモデル分子の設計が重要となる。申請者は最近円筒状の構造を持つカーボンナノリング(環状パラフェニルアセチレン)1を合成した。申請者は、1をテンプレートとして、その芳香環に色素をつなげることで円筒状に配列させ、その色素間の相互作用について検討することを通じて、エネルギー移動や電子移動の特性を検討し、将来超分子複合体による人工光合成システム構築の可能性をさぐる。 本年度は 1)比較的堅固な構造を持つ1をテンプレートとして、その芳香環に共有結合的または配位結合的に色素をつなげることで色素分子を円筒状に配列させ、その色素間の相互作用について検討するため、まずホスト1の修飾を検討した。酸素官能化されたカーボンナノリングを合成し、これまでの合成法が官能基を持った系にも応用可能なことを確認した。また、それら酸素官能化カーボンナノリングはフラーレン類とより安定な錯体を形成することを見出した。 2)1の芳香環をピリジン環に置き換えたカーボンナノリングの合成について検討した。ピリジン環上の窒素原子のもつ配位能を利用した超分子構造体の構築を目指した。しかし、2-ピリジルアルデヒド誘導体はMcMurry反応条件下で過剰な還元反応を引き起こし、期待したエチレン架橋をもつ環状化合物を与えないことがわかった。現在、2,2´-ビピリジル骨格をもつカーボンナノリングをターゲットとして、さらに合成研究を行っている。 今後、色素を結合させた1とフラーレン類との相互作用ついて検討してゆく計画である。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)