金属イオンをメディエーターとする環状ナノストラクチャーの構築と新機能開発
Project/Area Number |
14654122
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
矢野 重信 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (60011186)
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Project Period (FY) |
2002 – 2003
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2003)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | ナノストラクチャー / 環状ナノストラクチャー / バナジル錯体 / 4核バナジル錯体 / ESR / 酸化還元挙動 / 超分子 |
Research Abstract |
1.近年、金属錯体をメディエーターとするナノストラクチャーの構築が注目を浴び、数多くの研究がなされている。しかしながら酸化触媒として有用なバナジウム錯体についての報告例は散見される程度である。本年度は昨年合成に成功した三点で配位可能な3-hydroxypyridine-2-carboxylic acid(H_2hpic)を配位子として含むバナジル(IV)錯体をメディエーターとする環状ナノストラクチャーについて以下の研究を展開した。 2.単核錯体[VO(Hhpic-O, O)(Hhpic-O, N)(H_2O)]・3H_2O及び4核錯体〔(VO)_4(μ-(hpic-O, O', N))_4(H_2、O)_4]・8H_2Oの電気化学的および磁気的挙動おについて詳細に検討した。 3.単核錯体のCV測定結果を示します。GCBを用いてDMF中、室温で測定を行いました。酸化波は0.70V付近に、還元波は-1.58V付近にそれぞれ非可逆なピークが観測されましたDMSO及びDMSOを2%含む水溶液中でESRスペクトル測定を行いました。単核錯体では超微細構造が観測され、バナジウムは核スピンI=7/2をもつため8本のシグナルが観測されました。一方、4核錯体におきましては超微細構造は観測されずシグナルはブロード化している。これはバナジウムに由来する不対電子が相互作用を起こしたためだと考えられ、DMSO及びDMSOを2%含む水溶液中において4核錯体はそのクラスター構造が保たれていることを示唆している。すなわち、機能性ナノストラクチャー構築の上で極めて重要な現象を見出した。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)