鋳型法による常温常圧での二酸化炭素クラスレートハイドレートの合成や熱的性質・構造
Project/Area Number |
14654125
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
機能・物性・材料
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市川 和彦 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (90000843)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 耕 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (90250414)
|
Project Period (FY) |
2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | 二酸化炭素 / クラスレートハイドレート / 鋳型分子 / ゲル / nitrilotris(2-benzimidazolylmethylsulfate) / 水素結合 / 生成熱 / 分解熱 |
Research Abstract |
CO_2クラスレートハイドレート(包接水和物)は常温・常圧では自然界に存在しないし,生成することができない.本研究の目的は,鋳型法によって常温常圧でCO_2クラスレートハイドレート類似の物質生成とそのキャラクタリゼーションや熱的性質を明らかにすることである. <鋳型分子の設計と合成>水素結合によって水分子の三次元格子生成の鋳型の役割を果たす物質nitrilotris(2-benzimidazolylmethylsulfate)L1S^<3->の分子設計が必要である.-SO_3のO…Oが水分子の三次元格子に組み込まれる様な配置になっていなければならない.鋳型として機能するようなスルホン酸基間のコンホメーションを出現させるためにhelperの導入が必要である.そのhelperとして亜鉛(II)を用いて亜鉛化合物[L1SZn]^+を合成した.尚,当水溶性亜鉛化合物はcarbonic hydrase活性中心として二酸化炭素水和反応を促進させることができる. <CO_2バブルによるゲル状物質の生成>等モル数50mMのL1S^<3->とZn^<2+>を水中に溶解しpHを8.5に調製した.この水溶液にCO_2をバブルすると白濁しゲル状となった.このゲル状物質は,光学顕微鏡観察から50μm程度のフレーク状の粒子からなりたっていた.ゲル状物質はスルホン酸基の酸素原子と水分子によって形成された水素結合ネットワークから生成したと考えられる.亜鉛モデル化合物とCO_2との比が等モル数から成り立つクラスレートハイドレート様化合物であると考えられる. <ゲル状物質の熱的性質>当物質の生成熱と分解熱を熱分析測定装置等を用いて決定した.当生成熱ΔH_fは混合水溶液(等モル数50mMのL1S^<3->とZn^<2+>)に二酸化炭素バブリングによるゲル状物質生成反応のエンタルピー変化量(発熱)ΔH_fとなる.水溶液1l当り-4kJから-12kJの値で,pH依存性では極大を示した.ゲル状物質の分解熱ΔH_<dec>(ゲルから水蒸気,亜鉛化合物(固体),そして二酸化炭素ガスに分解)は35℃から60℃でおこり,ΔH_<dec>(吸熱)の値は15kJmol^<-1>前後から25kJmol^<-1>前後であった.
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)