Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
(1)カンチレバーとシリコン球面との接触過程 本研究では半導体に作用するCasimir力の検出を目的としている.平板と球面に作用するCasimir力は引力であり,平板と球面とのギャップの3乗に逆比例する.従って,ギャップが小さくなると,バネの復元に対してCasimir力が凌駕し瞬間的にシリコン表面へ接触する現象,いわゆる"Pull-in"現象が生じる.この現象を確認するために光リソグラフィとエッチング技法により製作されたシリコン製カンチレバー(ばね定数0.1N/m,サイズ1mm×1mm)を用いた.また,このカンチレバーに接近させていく対象として曲率半径が16mmの球面シリコンを用いた.なお,使用したカンチレバーは市販のものと比べて格段に大きくその位置決めが困難であったが,干渉顕微鏡を用いることによりその問題を解決している.球面シリコンをピエゾ素子により低速でカンチレバーへ接近させ,その変位をマイケルソン型レーザ変位計で測定した結果,Pull-in現象が観測された. (2)カンチレバーの光照射による変位 接近した二つのシリコン膜がマイクロメカニズムの主要部品である.それを光照射により駆動しその変位を観察した.膜間距離は1μm以下と小さいためこの間へ光を照射することは困難である.そこで,シリコン膜の厚みを4μmとし透過光によりキャリアの増大を行うこととした.用いた光の波長は532nmで出力は0.1W/mm^2である.レーザ変位計にこの励起光が入射しないよう慎重に配置を検討し,また適切なフィルター処理を行って,光照射下でカンチレバーの変位をnmオーダの精度で測定することができた.その結果,カンチレバーは励起光の変調に伴い振動することが確認された.この駆動力には熱応力が含まれているため,今後はその除去が課題である.
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