Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,潤滑油を含む多成分系液体,炭化水素および水を溶媒とした各種の溶液を用いて,すべり接触において,接触域中での成分分離発生の有無を確認するとともに,その発生機構,発生条件を明確にすることと,基礎的なせん断速度試験を実施し,せん断速度と溶解度の関係を検討することにより,せん断場が溶媒の溶解能力や溶質の溶解状態に与える影響を明らかにすることである.成果は次の通りである. 多成分系の炭化水素系の合成潤滑油における成分分離現象に関する成果 1.潤滑油の構成成分の同定が,炭化水素系潤滑油の赤外分光IRスペクトル中のC-H変角振動に伴う2つの吸収ピーク強度の比,またエステル等の極性基を有する潤滑油に対しては極性基の起因する吸収強度により可能なことを明らかにした. 2.顕微FT-IR装置内に点接触および線接触滑り接触試験機を組込み,接触部入り口域での潤滑油成分構成の変化を測定した.その結果,線接触,点接触両試験において,境域分子量分布油では入り口域での成分構成の変化は観測されなかった.一方,広域分子量分布油では,線接触滑り試験では成分の分離は生じなかったが,点接触滑り試験においては,入り口域で低粘度成分の比率が増加し,低粘度成分が接触域に優先的に導入されることを見いだした. 3.入り口部での成分分離が生じるかどうかは,潤滑油を構成する炭化水素,極性基の種類,分子量分布の広狭の程度により異なり,点接触条件下での必ずしも成分分離が発生する訳ではない. また,ステアリン酸(固体)添加潤滑油,砂糖水溶液によるせん断試験において,せん断試験前後のステアリン酸,上白糖の溶解度に差が認められる例が生じたが,この点は再現性のチェックが必要である.
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