Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
本研究は,指先大の寸法で出力100W程度と高い出力密度を目指す超小型ガスタービンへの応用を目的として,微小寸法におけるスケール則にも適合し,かつ可動部を必要としない革新的な流体圧縮法を提案し,その作動原理の確認を行ったものである.すなわち,断面が末広がりであるマイクロチャンネル内壁において触媒燃焼を行うことで流体を圧縮し得る方法を提案し,その実現可否について検討を行った. 断面積一定で熱流入を伴うレイリー流れにおいては亜音速域で流れが加速されることが知られている。この加速流れが,運動エネルギーから圧力エネルギーへの変換機能を持つディフユーザと呼ばれる末広チャンネル内においてうまく機能すれば,熱エネルギーから運動エネルギー,運動エネルギーから圧力エネルギーへの変換が行われ,可動部無しで流体の昇圧を実現できる可能性がある.この際,作動ガスへの熱入力を行う方法としては,流路表面を活用できるマイクロチャンネル内壁での触媒燃焼がスケール則の観点から有望と判断される. そこで,第一段階として入口直径100mm,拡がり角3°のマイクロ円錐ディフューザを対象として,チャンネル壁面からの熱流入を考慮した準1次元定常圧縮流れ(亜音速域)に関する数値解析を行った。その結果,マイクロチャンネル内壁面からの熱流入は,確かに流速と流体温度を増加させる働きはあるものの,同時に全圧損失をもたらすことが確認された.これは,触媒燃焼などによって作動ガスに熱エネルギーを与えても,期待していたような圧力の上昇効果が得られないことを意味する.このように,加熱による影響は当初のねらいとは逆の方向であることがわかったが,本研究で対象とした準1次元定常圧縮流れ(亜音速域)に関する詳細な検討により,熱流入・摩擦損失・圧力等の熱力学的諸関係が定量的に明らかとなり,今後の研究に対する貴重な基礎的理解が得られた.
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