Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,照明やディスプレーなどの発光・表示デバイスへの応用展開に有利と考えられる均一な面状沿面放電を安定に発生させうる放電の制御技術を確立すべく,沿面放電における上記要因を詳細に検討することにある。 前年度の研究において,明らかとなった事実を踏まえて,本年度も前年度に引き続いて固体誘電体沿面における荷電粒子の振る舞いを検討し,乾燥空気中,Ne中およびXe中での沿面放電の発生と進展過程の解析を進めた。具体的には,以下の項目について取り組んだ。 (1)発光測定による放電発光過程,電離気体と固体誘電体の相互作用検討 (2)沿面放電における放電電流等電気的手法による荷電粒子計測 これらの実験的手法により固体誘電体沿面における荷電粒子の振る舞いを検討し,沿面ストリーマの発生と進展との相関について調べた。また,沿面発生と進展に及ぼす影響が大きいと考えられる背後電極の効果や固体誘電体界面における荷電粒子の影響について検討を行った。そのなかで,沿面放電の様相を高速ゲートイメージインテンシファイア内臓のCCDカメラで時間分解撮影を行い,正の電圧印加時と負の電圧印加時における沿面放電形態が全く異なることを明らかにした。また,前年度において,放電形態には,誘電体表面を進展する沿面放電とガス空間に拡がる放電の2種類存在することを示したが,今年度は,そのガス空間に拡がる放電の発生メカニズムの検討を進めた。その結果,沿面放電における放電発光による光電離過程が関与している可能性を示した。また,上述の2形態の放電により蛍光体を励起することによって,可視面状発光デバイスを試作した。その結果,目視では全く放電発光を捉えることができない条件においても,背後電極が存在する電極間全面に可視発光をうることに成功した。以上より,面状沿面放電の発生とその制御の実現,ならびに面発光とそれを利用した発光・表示デバイスの可能性について重要な知見を得た。
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