Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Research Abstract |
本年度に得られた成果は下記のとおりである。 (1)申請者らが開発してきた,物質・エネルギーの生成移動場に関する材料構造解析システムDuCOMに電磁気場の連成を新たに追加したとともに,大規模構造計算のための並列演算が可能な区分構造化を行った。これによって,電気的に乖離したイオン泳動を分子拡散とともに扱うことが可能となった。さらに鋼材の腐食モデルと連動させることによって,ミクロ・マクロ腐食の両者を統一的に解析する構造化を行った。 (2)カルシウムイオンの平衡と溶脱に関するモデル化をDuCOMに組み込むとともに,地盤環境への溶出も扱えるように,不飽和な空隙構造を扱えるように細孔構造モデルの拡張を行った。本研究では,中期耐久性に関わる固相Ca(OH)2を対象としたが,CSH硬化体のの溶出も同様に扱うことができる構造化とした。 (3)拡張されたDuCOMを用いて,廃棄物の地層処分のための超長期にわたる遮蔽性能評価に関連する水蒸気および凝縮水の移動とセメント硬化体の再形成をシュミレーションした。促進実験結果との比較を行ったところ,従来の短期透水係数による簡単な評価では考慮できない再水和と組織構造の再構成が適切に評価できることを示した。 (4)塩化物イオン,水分,二酸化炭素の三者連成移動解析を実施し,炭酸化に伴う固定塩分の開放,炭酸化に伴う組織の再緻密化の両者を,乾湿繰り返しを受ける環境条件のもとで考慮した非線形解析を実施して,現場計測データとの比較検討を行った。その結果,コンクリート構造中でフリーデル氏塩が自由塩化物として放出され,多方向に拡散移動する現象を解明することができた。
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