金融工学手法の応用による社会基盤施設のライフサイクルマネジメント戦略の構築
Project/Area Number |
14655165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
構造工学・地震工学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤野 陽三 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20111560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 雅人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60272358)
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Project Period (FY) |
2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 財務 / バランスシート / 延命効果 / 補修積立金 |
Research Abstract |
本研究では構造物のライフサイクルを反映した財務管理手法として現状の財務諸表を修正し,維持管理の正当性を財務的に評価する手法を提案した. 橋梁の更新費用は莫大であり,一括で用意するよりも毎年一定額を積み立てて備えた方が発生する利息も含めて財政負担は軽い.ただし,橋梁の更新時期を正確に予測することは困難であるため,予測と実際の更新時期には少なからずずれがあることを前提に,更新時期を三角分布でモデル化する.その上で,確率論的に必要な積立額の期待値を算定した. 維持管理を行うことによって,更新時期の分布が変化すると考える.維持管理で延命がなされれば,延命後の分布に対して必要な積立額は,それ以前の積立額よりも少なくなり,それまでは余剰の積立を行っていたことになる.この余剰の積立分は更新時期の分布を変化させるような維持管理に費用として捻出することが正当化される.つまり,維持管理の適切な費用とみなすことができる. 現状の財務諸表には,維持管理による延命効果が反映されていないため,維持管理の経済的正当性を議論することが出来ない.そこで,維持管理費用から更新時期の延命効果を算出し,結果を減価償却期間の延長とみなすことで,財務諸表に反映する方法を考案した. さらに,a)将来の更新への備えを一切しない場合,b)引当を行う場合,c)積立を行う場合,の3通りの計上を行い,財務諸表上の主要値の変化を見た. このことにより,更新時期の分布の変化と,それに伴う積立額の変化から,維持管理の延命効果を経済学的に評価することが可能となった.そして,その結果を財務諸表に反映させることで実状に近い財務諸表を作成することが可能となり,主要値に注目することで維持管理の正当性を評価することが出来るようになった.
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Report
(1 results)
Research Products
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